『東大オタク学講座』(講談社)
昨年の大晦日に“愛人”とのキス写真がFacebookで公開されたことから勃発した、岡田斗司夫をめぐる騒動。ついには先日、肉体関係をもった女性たちをこと細かに格付けした、ジェームス三木の「春の歩み」を彷彿とさせるリストまで流出。リストに記された女性たちのなかにはコラムニスト・犬山紙子と思しき人物(本人は否定)のほか、アイドルの歌唱指導者として活躍する者、さらには岡田が客員教授を務める大阪芸術大学の在学生なども含まれていたが、岡田はこれについて昨日20日に「ほとんどは私が、仕事で会っただけの女性に対する妄想を書いたものです」と釈明した。
岡田の「実在の人物を元にした創作」という苦しすぎる言い分を信じたとしても、女性ごとに「美少女・美形度」「床上手・名器度」などをA〜C判定でランク付けするというゲスっぷりにはただただ閉口するしかないが、この騒動の発端となった女性の暴露に対する対応でも岡田の非情さは滲み出ていた。当初、女性が公開したキス写真に対し、岡田は「当たり前ですけどニセ写真です」と否定。ところが1月9日になってYouTubeの動画で「基本的には全部本物なんですね」と認め、現在9人の女性と交際していること、そして過去には80股をかけていたことを告白。「ニセ写真」と嘘をついたことを謝罪するでもなく、さらにはドヤ顔でモテ自慢を始めたのだ。
たしかに岡田はバツイチの単身者であるし、どれだけの人数の女性と交際していようとも罪はない。もっといえば、たとえ岡田が既婚者で不倫だったとしても、本サイトとしては咎めるような話ではないと考えている。ただ、例のリストが「創作」ではなく本物だとしたら、見逃せないのは教え子と関係をもっていると思われる点だ。教え子のほうからアプローチしていたとしても、教職という権力をもった立場にある以上、性的な関係を結ぶことはパワーハラスメントと見られてもしかたがない。しかも、こうした立場にあることに岡田はまったく無頓着で、逆に“学生は食い放題”と考えていた節さえあるのだ。
それは、2003年に発売された岡田の著書『恋愛自由市場主義宣言!』(ぶんか社)にある、こんな記述に顕著だ。モテないと嘆く男性に対し、岡田は後天的に手に入れられるモテる方法を伝授するのだが、その内容がこれ。
〈それは金と社会的地位。そして、もっと強いオールマイティカードは「女性に教える先生になる仕事につく」。これです〉
到底、教壇の上に立つ人間が発する言葉とは思えない倫理観のなさ。流出したリストでも、関係をもった学生から「こんなことしてエエと思てんのか」と罵倒されたことを明かして「まぁ言いたいだけ言わせたし、もうやることはやっちゃったわけだから、これ以上追いかける意味はないし」「「若い子は騙して抱いて、終わったら捨てろ」というのが僕の中の法則みたいですね。それ以上の値打ちはないような気がするなぁ」などと記載しているが、創作だとしてもあまりにひどい話だ。だが、岡田が出してきた恋愛本を読むと、彼が女をモノとしか見ていないことがよくわかる。