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安倍大学改革で簿記学校化!? でも経済学部の中身はすでにグダグダ

 しかし、本来は、大学は国家から自立した学問研究の場であり、時の政権の意志と経済的利害だけで大学が統制されつつある日本の現状こそが、文化破壊と知的荒廃を生み出しているのではないか、と当サイトでは指摘してきた。

 ただ、残念ながら、教育現場も、「実務で役に立つか立たないか」という判断基準がまかり通っているのが実情だ。

 たとえば、『ニッポンの経済学部「名物教授」と「サラリーマン予備軍」の実力』(橘木俊詔/中公新書ラクレ)でも、京都大学や同志社大学経済学部で教鞭をとってきた著者が「正直に告白しますと、私自身、学生相手に教えながらも、『これは実務には役に立たないだろうな』と思うことがしばしばあります。がっかりさせてしまったら、申し訳ありません」と告白している。

「経済学部の近隣にある商学部や経営学部は、もっと実務に直接役に立つ内容を学ぶことができます。たとえば、会計や経理、マーケティング、経営管理技術、金融実務、人事労務管理など。さすがに理系ほどの職業的レリバンスはないにせよ、経営学部や商学部で学んだ知識は、ビジネスパーソンとして『武器』になることでしょう」(同書より)

 このため、経済学部の人気も下降気味という。

「多くの大学において、経済学部の偏差値が低下する一方、法、商、経営はアップしていることがうかがえます。昔は経済学部のほうが高かったのに、その地位を低下させ、いまは学部に逆転されているか、もしくは同程度に近づいてきていると言えましょう。(略)背景にあるのは将来不安だと推察されます。終身雇用、年功序列が揺らぐなか、手に職をつけたり、資格を取得できたりする学部の人気が高まっているのです」(同書より)

 これまで経済学部が人気があったのは経済学部出身者が就職に有利だったからだと分析する。

「学生は学業成績が良くなくても比較的容易に就職先を見つけることができました。経済が好調な日本ならではのことでした。(略)『大学で学んできたことは全部忘れろ、一から企業が教えてやる』的な雇用システムを前提にしていたからこそ、『忘れていい』いやそれどころか『勉強してこなくてもいい』経済学」の人気が高かったのだ。

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