そして“おひとりさま”である。平穏死するには自己決定力が必要だ。そして、明るく自分の死を受け入ることも大切である。これはおひとりさまの人生そのものであり、得意分野ではないか!
さらに家族の不在という環境が平穏死にとってはプラスに働くという。「最後の最後に変な横やりをいれてくるよけいな家族」がいないからだ。だからこそ本人の意思が十分に尊重され、穏やかな平穏死を迎えることができる。しかもおひとりさまのケースで最も危惧される「在宅治療」も、介護保険を利用すれば十分可能だという。実際、98歳のおひとりさまの女性は、訪問する医師と治療方針を決め、医師とまるでデートするように楽しく在宅治療を実践したらしい。
ちなみに、逆に平穏死できない職業ベスト3は「医師とお坊さんと学校の先生」。「死」に対して頭でっかちになり、凝り固まり、価値観を変えることが難しいからなのだとか。うーん、納得。
もちろん、人によって価値観は様々だ。最後まで最新の治療を受けたい人もいるだろう。だからこそ“そのとき”のため、「自分はどう死にたいか」を考えておくことは決して無駄ではないはずだ。誰しもいつかは死を迎えるのだから。
(伊勢崎馨)
最終更新:2014.08.14 08:12