もちろん、怪しいアダルトサイトや身に覚えのない相手先からのメールに近づかないことは基本中の基本であるし、書籍や雑誌、ニュースサイト等を通じて詐欺被害などの情報を自ら取りに行く姿勢も不可欠だ。ただ、中高年のネットトラブルが減るどころか増加しているという事実は、詐欺や悪質商法の報道があっても他人事としか思わず、過去の事例からまったく学んでいない人がいかに多いかを物語っているとも言える。
こうした防衛策は、油断があっては何の役にも立たない。各メディアで繰り返し述べてきたことであるが、ネット上には絶対的な安全地帯などない、と自覚することが大前提である。夜中に一人で怪しげな歓楽街を彷徨し、ボッタクリや強盗の被害に遭わないのと同様の警戒心を持つ。これが、イロハのイである。
世界中のあらゆる人が行き来するネットは、巨大な街そのものだ。したがって、利便もあれば、一方では悪意や犯罪も存在する。楽しい、便利というだけでは、容易く悪意ある罠や脅威の餌食になってしまう。このことを、あらためて指摘しておきたい。
(井上トシユキ)
最終更新:2014.07.31 11:04