アジア大会の大会経費は、当初、1200億円と見込まれていたのが、3700億円と、3倍超に膨れ上がり、愛知県の財政調整基金から800億円を取り崩し、国費136億円も投入されている。
そんな巨額の公費を投入するイベントに、万博の工費未払いというトラブルを抱えた企業をまたぞろ使っていいのか。
しかも、今回のGLイベンツの受注額は630億円と巨額であるにもかかわらず、競争入札でなく随意契約である。同社がアジア大会に22億円の協賛金を出し、最上位のスポンサーになったことが決め手だったといわれているが、22億円支払ったら、入札なしに630億円の仕事が受注できたというのは、どう考えても不自然すぎるだろう。
もちろん、GLイベンツにアジア大会の運営業務を巨額発注していたことについては、早くから疑問の声が上がっていた。2025年11月には、れいわ新選組の大石あきこ共同代表(当時)が、翌12月には、共産党の辰巳孝太郎衆院議員が国会でこの問題を追及している。
中でも、辰巳議員は重要な事実を指摘していた。万博工事の工費未払い訴訟の訴状で、業者側が支払いを求めた際、GLイベンツから「アジア大会への多額の協賛金を支出したばかりのタイミングのため、現時点では請求を支払うだけの資力がない」との弁明を受けたことを明らかにしていたというのである。
これが事実なら、GLイベンツが未払いを起こした要因の一つに、アジア大会への参入があったということになる。
ところが、こうした問題が明らかになり、批判の声が上がったにもかかわらず、愛知名古屋アジア大会の組織委は、GLイベンツへの発注を止めようとはせず、そのまま運営の重要な部分を任せてしまったのである。これは、明らかにおかしいだろう。
しかも、問題なのは、こうした不可解な発注を追及しようという動きが、せいぜい共産党とれいわ新選組くらいで、自民・維新はもとより、他の主要野党もほとんど反対の声をあげなかった。
マスコミも同様だ。GLイベンツへの発注を追及しないのはもちろん、前述したように、このアジア大会は、136億円の国費や、800億円の愛知県の金が注ぎ込まれようとしているのに、ほとんど問題にしない。それどころか、相次ぐ不手際すら、テレビも大手ネットニュースもまともに取り上げようとしない。
この国は、いつのまにか、権力がどんな無駄遣いをしようが、どんなデタラメな政策を強行しようが、なんの追及も受けず、嘘と不正が堂々とまかりとおってしまう、まるで独裁国家並みの状況になっているのかもしれない。
(編集部)
最終更新:2026.09.23 04:36