アジア大会運営受託の「GLイベンツ」は大阪万博の4パビリオンで工費未払い係争中
愛知・名古屋アジア大会の運営を630億円で受注していることが判明して問題になっているのは、フランスに本社を置く「GLイベンツ」の日本法人。フランスでは、スタッド・ド・フランス(国立競技場)の運営管理を委託されるなど、有名なイベント企業だとされているが、今回のアジア大会運営では、ありえないミスを起こしている。
それが、前述した「パークアリーナ小牧」照明器具の全156台破損だ。これは電気系統の故障などが原因ではなく、会場の設営を担当する「GLイベンツ」が大会で使う仮設発電機のテストをした際、照明器具の耐圧を上回る400ボルトの電圧をかけるという信じがたいミスの結果だった。
お粗末としか言いようがないが、実は、この会社、大阪・関西万博ではもっと大きなトラブルを引き起こしている。
GLイベンツは、大阪万博で6つのパビリオンの建設を元請として受注していたが、うち4つのパビリオンをめぐって、下請け業者から「工費未払い」の告発を受け、係争中なのだ。
しかも、訴えている下請け業者は1社ではない。マルタ館では、施工した京都の建設会社が2025年6月に約1億1800万円の支払いを求めて提訴。セルビア、ドイツ両館を手がけた大阪市の建設会社は25年8月に、約3億3000万円を求めて提訴。ルーマニア館を手がけた別の大阪市の建設会社は、25年6月の会見で約1億2500万円の未払いを訴えた結果、GL側が未払いがないことの確認を求めて提訴している。
しかも、訴状や会見の内容を見ると、未払いの大きな原因は、同社のずさんで強引な施工指示・管理にあった可能性が高い。下請け業者たちが一様に、GLイベンツ側がまともに設計図を用意していなかったこと、工事内容に変更があっても契約書を交わさずに口頭で済まされたこと、クライアントが気に食わないからと工事を何度もやり直しをさせたこと、にもかかわらずその対価である工費を払おうとしなかったことなどを告発しているからだ。
こうした告発が事実なら、GLイベンツの行為は建設業違反に当たる可能性もある。しかも、未払いの結果、これらの下請け業者の多くは経営危機に陥り、なかには、それが原因で、従業を減らさざるを得なくなったり、経営者が離婚に追い込まれ子どもと別々に暮らさざるをえないケースも出ていた。
そういう意味では、この未払いはGLイベンツだけの問題ではなく、同社に発注した万博協会や事実上の開催主体である大阪市・大阪府、そして日本政府の責任でもある。実際、万博開会中から、マスコミや府議会もこの問題を追及していた。
ところが、万博協会の副会長でもある吉村洋文大阪府知事らは、解決に乗り出す姿勢を微塵も見せず「民と民の問題」と突き放してきたのである。
信じられない無責任ぶりだが、もっと呆れたのは、GLイベンツに、今回、アジア大会という大きな国際イベントの運営業務を発注していたことだろう。


