萩生田氏といえば昨年末、韓国の捜査当局が押収した統一教会の内部文書「TM(トゥルーマザー)特別報告書」において、2019年の参院選前にあたる7月2日、安倍晋三首相とともに統一教会の最高幹部らと自民党本部で会談をおこない、エルメスのネクタイを贈られていたことなどの記述があると報じられていた。
だが、萩生田氏の事務所は「面会の調整・仲介・関与を継続的に行った事実はない」と事実を否定し、今年1月18日のYouTube番組「ReHacQ」でも萩生田氏本人が「(教団関係者が)お客様として党本部に来た時に陪席を求められたり、部屋に案内したりしたところで顔を合わせたことはあるかもしれないが、私が直接この団体と何かやっていることは全くない」と述べていた。
しかし、ここにきて、萩生田氏の説明を根底からくつがえす事実が詳細に報じられた。
萩生田氏の問題を報じたのは、探査報道に特化したジャーナリズム組織「Tansa」。今回、「Tansa」は韓国の調査報道機関「ニュース打破(タパ)」と「TM特別報告書」を共同取材。選挙期間中に徹底検証をおこなってきた( https://tansajp.org/investigativejournal_category/tm/)。そのなかで、いかに萩生田氏が安倍政権と統一教会を橋渡しする重要な役割を果たしてきたかが浮き彫りになる記述が明らかにされたのだ。
たとえば、前述した2019年7月2日の安倍首相らと統一教会最高幹部らの会談もそのひとつだ。「Tansa」によると、2019年4月25日の「TM特別報告書」で、当時の統一教会会長である徳野英治氏がこんな報告をおこなっているという。
〈来る7月の国会参議院選挙で北村経夫参議院議員を応援するために、いつも安倍首相と私たちをつなげてくださる萩生田光一自民党幹事長代行と、安倍派会長の細田博之会長、また前総務副大臣の奥野信亮衆議院議員、また北村経夫議員本人とともに夕食の席を持ちました。〉
〈7月の選挙のために教団のトップにあいさつをしたい、徳野会長に直接会いたいと萩生田光一自民党幹事長代行から要請があり、今回の夕食の席を持つことになりました。〉
「会長に直接会いたい」──つまり、統一教会に安倍側近の北村候補の選挙支援をしてもらうために、萩生田氏のほうからアプローチして統一教会幹部と会食の場を持っていた、というのである。
TM特別報告書で、萩生田氏からアプローチしていた事実に言及している統一教会幹部は徳野会長だけではなかった。同じく「Tansa」によると、天宙平和連合(UPF)ジャパン議長・梶栗正義氏が、安倍首相との面談直後、2019年7月6日におこなった報告にも、以下のような記述があったという。
〈首相の意向をめぐって、私と自民党最高幹部数名がこの間選挙で勝つための作戦会議を繰り返してきたなかで、7月1日ついに安倍首相の側近議員が私に連絡をくれ、安倍首相が私と徳野会長に明日会いたがっているという意思を伝えてきました。〉
〈今年初めから私が萩生田議員に参議院選挙の前に安倍首相との面談ができるよう、要望を伝えてきましたが、選挙公示の3日前のこの日、ついに面談が実現しました。G20サミットを終え、選挙戦に突入しようするこの時期に萩生田議員が首相のスケジュールを調整してくれ、実現した会談の場でした。〉
そして、参院選で安倍首相と萩生田氏が選挙支援を願い出たこの北村経夫氏が見事に当選を果たすと、萩生田氏は統一教会にわざわざお礼までおこなっていたようだ。選挙後の同年7月24日、徳野会長はこう記述しているという。
〈選挙の翌日の7月22日には、私たちと安倍首相との会談を今まで4度セッティングし、仲介者の役割をしてくれた自民党幹事長代行の萩生田議員を通じて、徳野会長と梶栗UPF議長に必ず感謝の礼を伝えてほしいと、安倍首相からの正式な感謝も伝えられました。〉