つまり、「自虐史観」教科書の問題に取り組んでいる吉田氏に、安倍元首相は目をかけていたというわけだが、吉田氏は安倍元首相と同様、靖國神社の参拝にも強くこだわっている。2013年8月15日のブログでは〈大東亜戦争から68年。今の日本国があるのは、命をかけて戦って下さった英霊たちのおかげであるのはまぎれもない真実。中国や韓国が靖國神社参拝に関してあれこれ言うことは全くの筋違い〉とし、〈そもそも日本にA級戦犯などいないにも関わらず、「A級戦犯が合祀されている靖國神社」などと言う〉とメディア批判を展開。同年12月に安倍氏が靖國神社を参拝すると、〈さすが我が日本国の代表である安倍総理大臣です〉と称賛していた。
また、安倍政権が2014年に集団的自衛権の行使容認を閣議決定した際に反対デモが起こると、〈SNSで間違った情報が拡散され、自分で物事を考えようとしない若い世代も「反対デモに参加したかった」「戦争反対」「よくわからないけど反対しよう」などと戯言をぬかす。まんまとメディアに洗脳されている。その影響力は恐ろしい〉〈こういう若者が成長して我が国を背負っていくことに不安を感じる〉(2014年7月4日のブログ)とデモに参加した若者たちを批判している。
もはやネトウヨさながらの吉田氏の発信だが、さらに2016年のブログやツイートでは、さらにネトウヨらしい人権意識の欠如ぶりや少子化対策など社会保障政策への関心のなさをあらわにしていた。
〈最近、外国人であることで差別されたという報道が目立つが、悪意や差別という意識がない言動にそこまで過剰に反応することはどうなのか。安倍政権が、移民政策を推進し、人権擁護法などを成立させるような政権でなくて本当に良かったと思う。〉(2016年10月11日のツイート)
(「新語・流行語大賞」で「保育園落ちた日本死ね」がノミネートされたことについて)〈「中国死ね」や「朝鮮死ね」はヘイトスピーチだとか言われ、「日本死ね」は流行語大賞にノミネートか。〉
〈もし私が審査員を任されたら、まずはトップ3は「二重国籍」や「違法人」、「ガソリーヌ」でしょう。これならみんなが、流行ったなと思うはず。〉(2016年11月19日のブログ)
このほかにも、「やはり日の丸は美しい」「皇室を戴く日本に生まれた日本人で本当によかった」「(建国記念日は)初代神武天皇が橿原宮で御即位され、我が国が誕生した日」「ありもしなかった南京大虐殺」「今の教育にこそ親学は必要」「森友だ加計だと問題ではないことを問題にして大騒ぎ」などなど、匂い立つようなネトウヨ発言に満ち満ちた吉田氏の主張の数々……。昨年末、安倍元首相の後継として出馬の意志を表明した際も「日本の国柄や歴史と伝統を守っていくという政治理念の実現を目指したい」と述べていたが、ようするに、安倍元首相と同じネトウヨ思想の持ち主だからこそ、後継に選ばれたのだ。
血統自慢しかできないボンクラに、安倍元首相のネトウヨ思想を継承する者──。世襲か否かにかぎらず、岸・安倍家が牙城を守ろうとする山口補選はろくでもない展開となりそうだ。
(編集部)
最終更新:2023.02.17 11:14