『朝生』に出演の三浦氏
「オミクロン株感染者の多くは軽症・無症状」などと高を括り経済を優先してきた結果、なし崩しで「検査なしで自宅放置」を容認するという異常事態に陥っている日本。アメリカではついにオミクロン株の死者数がデルタ株の死者数を追い抜いたが、日本でも重症者数が増加傾向にある。
だが、これほどの危機的状況であるにもかかわらず、いまだに「オミクロン株大したことない」論を喧伝している三浦瑠麗氏が信じられない暴言を吐き、ネット上で大きな問題となっている。
それは1月29日深夜放送の『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)でのこと。番組テーマは「オミクロン株急拡大と日本社会」というものだったが、そのなかで三浦氏はこんなことを言い出したのだ。
「私から見たときの、日本の医者のいまの状況、やっぱり自分ごとだと思っていないんじゃないかな」
「(半笑いで)普通の医者がですね、コロナを怖がりすぎてる。だから専門家として我々は医者を見るんじゃなくて、いわゆるわたしたちと同じようにワイドショーを観て、オミクロン株がドッダーンとこう、拡大されて、なんかおどろおどろしい音楽が流れて、ダーンダーンダーン(映画の効果音のようなメロディを口ずさむ)、なんかもう、そういう感じの感覚で。一般人だと思えば『そりゃそうだろうな』と。怖がってるんだろうな、と。そういう感覚で見ていただけると、大して悪意があるわけでもなんでもないんだけど、(医者は)ご自分ごとだと思ってない(笑)」
ワイドショーが煽るせいで過度にオミクロン株を恐れる一般人と同じで、医者はコロナを怖がりすぎている──。三浦氏はそう言い出したのだ(実際はほとんどのワイドショーで三浦氏をはじめオミクロンたいしたことない論が幅を利かせているが……)。しかも、医師たちをまるで小馬鹿にするかのように終始冷ややかな笑いを浮かべながら、だ。
いったいおまえは何様だ、という話だろう。三浦氏の肩書きは「国際政治学者」であり、医師でもなければコロナの専門家でもない。そんな門外漢の人物が、どうして日々感染リスクに晒されながらも最前線で治療にあたる医師を「コロナ怖がりすぎ」などと半笑いで口にできるのか。いや、そもそも世界中で560万人以上という死者を出してきた感染症に対して恐怖を抱くのは至極当然のことであり、それを“ワイドショーに踊らされているバカ”であるかのように語るとは、感染防止対策に協力するすべての一般人をも冒涜する暴言だ。