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ネトウヨDappiと自民党の関係が国会で追及されるも岸田首相はゴマカシ…一方、河井案里裁判でも業者がネット工作を証言

 これだけではない。公選法違反疑惑を「週刊文春」(文藝春秋)に報じられた直後、克行氏は「買収リスト」の流出を恐れてA氏に相談。A氏が「専用のソフトを使えば(消すのは)簡単ですよ」と伝えると「じゃ、それ買ってきてよ」と言われたといい、その後、克行氏の議員宿舎や広島の自宅、河井夫妻の事務所でA氏はデータ削除の作業を実行。「一連の報酬として自民党広島県第3選挙区支部から約82万円をもらいました」と証言している。

 この選挙買収事件は、そもそも溝手氏に対する私怨を募らせていた安倍元首相の意向から案里氏を公認候補として擁立し、溝手陣営の10倍にもなる1億5000万円の巨額を選挙資金として投入、その上、金で票を買うという重大な公選法違反がおこなわれたものだ。その事件の大きさから陰に隠れがちだが、このように対立候補を陥れるために下劣なネット工作がおこなわれ、原資が税金の政党交付金から約300万円もの金がネット工作業者に注ぎ込まれていたことが公の場で明らかになった事件でもあったのだ。

 事実、この税金を使ったネット工作問題について、本日の参院代表質問で森ゆうこ議員が「政党交付金を原資とする1億5000万円(編集部注:1億5000万円のうち1億2000万円が政党交付金)がネット工作に使われていなかったと断言してください!」と迫ったにもかかわらず、岸田首相は前述したように「ルールに従って発信をし、選挙運動をおこない、政治活動をおこなうべき」と答弁しただけで、ネット工作に税金が使われたことを否定しなかった。

 しかも、克行氏が少なくとも2017年の衆院選時からネット工作を依頼していたことを考えれば、自民党にとってネット工作業者を雇うことは日常茶飯事なのではないか。

 現に、克行氏に雇われて架空のブログやSNSで対立候補のネガティブ情報を流し、「買収リスト」の消去作業まで担ったネット業者の代表取締役I氏は、じつは自民党衆院議員の秘書を務めた経験を持ち、2009年には自民党横浜市連青年局次長として横浜市議会議員補欠選挙に立候補(落選)。この選挙戦では菅前首相も応援に駆けつけていたという情報があるだけでなく、冒頭に紹介したネトウヨ向けサイト「政治知新」の運営者である菅前首相に近い自民党神奈川県議の弟とも親交があり、A氏自身も「SNS上の与党ばかりを応援するブログやSNSアカウントと関係があるのではと噂になっていた」と報道されていた(「NEWSポストセブン」2020年11月2日付)。

 さらに、河井夫妻のネット工作を請け負ったA氏が代表取締役を務めるこの会社は、河井夫妻のみならず他の自民党議員とも取引。政治資金収支報告書を確認すると、Dappiの発信元だったウェブ・広告制作会社とも取引があった小渕優子・自民党組織運動本部長が代表の政治団体「未来産業研究会」は2019年に「ホームページ対策コンサルティング」代として11万円を、下村博文・前政調会長が代表の「自由民主党東京都第十一選挙区支部」も同年に「コンサルタント費」として2回、計130万2000円を支出しているほか、複数の自民党議員が同社と取引をおこなっている。

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