コロナの自宅死亡者の数も把握せず、発熱したら検査が受けられるという仕組みも徹底せず、その上、定期検査の実施も拒絶──。この体たらくは一体何なのか。
しかも、呆れるのは、「コロナ対策に専念する」と言って総裁選不出馬を決めた菅首相だ。「専念する」と大見得を切ったのだから、本来ならばこの閉会中審査に出席してしかるべきだが、国会にその姿はなし。その間、何をしていたのかと思ったら、またも小池百合子都知事と連れ立って、東京・築地に開設する「酸素・医療提供ステーション」を視察していた。
だが、都内の「酸素ステーション」の利用率はピーク時でも3割程度で、菅首相肝いりで開設された渋谷の「酸素ステーション」では看護師が「少ないときは(患者が)5人とかしかいない。看護師も何すればいいか困ることもある」「宝の持ち腐れ」と証言しているほど(TBS『news23』15日放送)。菅首相は今回の視察でも「画期的な施設であり、こうした施設を全国に増やしていきたい」などと胸を張ったが、全国に増やす前に抜本的な見直しが必要であるはずだ。
しかし、この菅首相よりももっと酷い「国会サボリ閣僚」がいる。総裁選候補者であるワクチン担当の河野太郎・行革相だ。
16日の閉会中審査では、前出の立憲の石橋議員や国民民主党の芳賀道也参院議員がワクチン担当として河野大臣の出席を求めたというが、なんと「拒否された」というのだ。
ご存知のとおり、河野大臣といえば総裁選告示前からテレビに出ずっぱりで、「やはり河野太郎でなかったらワクチンはここまで来なかった」などと自画自賛。ここまできたのは言うまでもなく自治体の努力にほかならないが、挙げ句、ワクチン担当大臣として国会に出席を求められてもそれを拒否し、総裁選にかまけているのである。
そもそも、15・16日とおこなわれた衆参厚労委員会の開催は3週間ぶりだったというのに、審議時間は2日合わせてたったの4時間。その上、大臣として国会での説明を拒否する人物が、次期総裁・首相の第一候補だというのだ。臨時国会も開かず、閉会中審査に現首相も次期首相有力候補の大臣も出てこないというこの現実を見れば、いかに国民がバカにされているのか、そして自民党政権がつづくかぎりは何も変わらないということが、よくわかるというものだろう。
(水井多賀子)
最終更新:2021.09.17 11:01