もちろん、一方では、そうした意図はまったくなくゲームの音楽だからという理由で作曲家の名前を非公開にした可能性もある。しかし、それはそれで非常識きわまりない。組織委はMIKIKO氏を排除しながらそのアイデアだけは使おうとしたり、小林賢太郎氏を解任しながら内容はそのままにしたりと、制作者をないがしろにする姿勢を見せてきたが、これもまた、明らかにクリエイターへのリスペクトを欠いているとしか言いようがない。
ちなみに、すぎやま氏は、自身のホームページで「やさしい著作権のお話」として、著作権について解説。著作権には「人格権」と「経済権」があるとし、以下のように書いている。
〈僕も変な使い方をされなければ問題はないのですが、例えば僕の創ったドラゴンクエストの音楽をどこかの団体が僕の思想、信条と正反対の考え方や、主張をするために使用するようなことがあればクレームをつけますし、使用を拒否する権利があるのです。これが「人格権」です。
そして次に「経済権」というのは、例えば僕の作った音楽をどこかで使用したい場合は使用料を支払ってください、というのが「経済権」です。
音楽の著作権には経済権というのがつきます。
音楽を使ったならば、使ったということに対する対価を支払うことになるわけです。〉
この言葉を読む限り、すぎやま氏はドラクエ音楽の著作権が自分にあると認識しているようだ。もっとも、五輪組織委や安倍・菅政権との親和性を考えると、この件でクレームを入れるとは思えないが……。
最終更新:2021.07.26 06:21