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難民も強制送還「入管法改正」強行の動きに小泉今日子、SUGIZOも反対を表明! 入管のスリランカ人女性“見殺し”隠蔽にも非難殺到

 当然、この入管法「改悪」案には国内外から批判が殺到。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が「非常に重大な懸念」を示して全面的な見直しを求めたほか、国連人権理事会の特別報告者3人と恣意的拘禁作業部会は「移民の人権保護に関し国際的な人権基準を満たさないように見える」とする共同書簡を公開。しかし、こうした国連機関からの意見に対し、上川陽子法相は「明らかな事実誤認に基づくものであり、到底受け入れられない」「一方的に見解を公表されたことについては抗議せざるをえない」などと逆ギレまでして見直しを拒絶、ついには早ければ明日、与党は強行採決に踏み切ろうとしているのだ。

 しかも、この強行採決が断じて許されないのには、もうひとつ理由がある。それは、今回の「改悪」案によって入管の権限はより強まるが、その入管に長期収容され、今年3月6日に亡くなったスリランカ人女性、ラスナヤケ・リヤナゲ・ウィシュマ・サンダマリさんの死に至った真相解明がまったく進んでいないどころか、入管による「虐待・見殺し」疑惑と「事実隠蔽」問題が浮上しているからだ。

 ウィシュマさんは2017年に「日本の子どもたちに英語を教えたい」という夢を持ってスリランカから日本に留学したが、その後学費が払えなくなり在留資格を失効。そんななか、2020年8月に同居していた恋人から暴力被害を受けて警察に相談、警察はウィシュマさんを不法残留容疑で逮捕し、名古屋入管に収容された。

 そもそもこの段階から問題がある。DV被害者は在留資格の有無にかかわらず「適切な対応を採ることが必要」と国が定めており、法務省入管局長名で2008年に「DV被害者である容疑者に対して退去強制手続を進める場合は(中略)仮放免(即日仮放免を含む)した上で所定の手続を進めるものとする」という通達を出している。本来ならばウィシュマさんは仮放免されなければならなかったのだ。

 しかし、仮放免の対象とされず入管に長期収容されたウィシュマさんは、今年1月に体調不良を訴え、3月6日に亡くなってしまう。ウィシュマさんと面会をおこなってきた支援団体によると、ウィシュマさんは面会の際も嘔吐するためにバケツを抱えており、死の3日前には唇が黒ずんで口の両脇からは泡が出て、手を伸ばすことさえできない状態だった。支援団体側は面会後、入管側に「このままでは死んでしまう。すぐ入院させ点滴を打って」と訴えたが、「ちゃんとやっている」「予定はある」と応えたという(毎日新聞ウェブ版4月22日付)。

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