こうしたフレームアップを見ていると、やはり、五輪開催強行派や本音では商売のために五輪をやってほしいマスコミが池江選手のツイートを利用して、反対派叩きや開催強行に利用しているとしか思えない。
実際、SNSを見ると、たんに誹謗中傷扱いするだけでなく、露骨な意図を持ったものが散見される。
たとえば、前出の署名の発起人である宇都宮弁護士には「池江選手への誹謗中傷が起きたのは、あんたのせいだ」といった攻撃が殺到。さらには、こんな投稿も多数見られた。
〈池江璃花子ちゃん頑張れ。反対派ってホントにこういう事ばっかりするね。こうなったら絶対オリンピック開催して欲しい。池江ちゃんメダル取って欲しい。〉
〈オリンピック反対派が池江選手にあんな事したのを知ってオリンピック賛成派になりました。 恥を知れ。〉
〈この池江選手擁護の流れで、五輪反対派の声が小さくなることを願う。〉
もっと露骨だったのは、五輪招致をめぐる不正疑惑で辞任した前JOC会長を父にもつ竹田恒泰氏だ。竹田氏は9日、〈池江選手への誹謗中傷を知って、東京五輪開催「賛成」の署名を立ち上げないといけないと思いました。以下のキャンペーンに賛同をお願いします!「人々の夢と希望をつなぐため、東京五輪の開催を支持します」〉とツイートし、池江選手にかこつけて東京五輪賛成のネット署名を始めた。
政権も完全に池江選手への同情論に乗っかろうとしている。本日9日、『NHK日曜討論』に出演した西村康稔コロナ担当相は五輪について問われ、わざわざ池江選手の名前を出し、「池江選手のがんばっておられる姿を見て、活躍する姿を見たいと思っている人もいる」などとコメントしていた。
ようするに、彼らは池江選手に同情し、応援しているふりをして、池江選手を五輪反対封じ込め、五輪開催強行の世論誘導に利用しようとしているだけなのだ。