また、21日放送『ニュースウオッチ9』(NHK)で紹介された大阪市内の50代女性のケースでは、自宅療養9日目に急変し、トイレで気を失って倒れているところを夫が発見。慌てて救急車を呼んだが、「保健所が入院先を決めなければ入院できない」「酸素(の値)が下がっても運べない状態」と言われ、搬送されなかった。女性の夫は「死をすごく感じた」「命の選択が運次第かとすごく思って、そこが一番怖かった」と語り、大阪の状況についてこう苦言を呈した。
「1年前の状況だと、準備も何もできていないのでバタバタしていると理解はできるが、第2波、第3波がきているなかで、なかなかそのへんが全然改善されていない、考えられていない」
「『まん延防止』の効果を見るとか、悠長なことをしているような場合じゃないというのは現場は絶対に知っていると思うので、その声をしっかり拾い上げて敏感に反応していただきたい」
第2波や第3波で失敗を重ねてきたのに、どうして4回目でも同じ失敗を繰り返しているのか。いや、イギリス型の変異株が従来型よりも感染力と重症・死亡リスクが高いことはとっくにわかっていたことなのだ。にもかかわらず、東京都よりも多い死亡者を出した第3波を経験していながら、再び府民に「命の選択」を迫るような状況に陥っているのか。憤りを覚えずにはいられないだろう。