いずれにしても、この日の『バイキング』がスポンサーである高須院長に配慮・忖度していたのは間違いない。民主主義の根幹を揺るがす大事件でも、相手がスポンサーとなると、なんの批判もせず全面擁護してしまうというのがいまのテレビの現実であることを思い知らされたと言っていいだろう。
実際、リコール不正への偏向的な姿勢は『バイキング』だけではない。『スッキリ』や『ひるおび!』でも高須氏や河村市長らの責任に対する追及は甘かったし、他のワイドショーはこの問題を避け続けている。
しかも、こうしたスポンサータブーの一方で、この問題を批判的に取り上げた『サンデーモーニング』(TBS)に対して高須院長が法的措置もチラつかせて抗議文を送ったことで、テレビの忖度はさらに深刻になっている。
リコール不正が民主主義を揺るがす重大犯罪であることはもちろんだが、金のあるところになびくこうしたマスコミの姿勢もまた、現在進行形で民主主義の崩壊を招いている大きな原因であることを自覚すべきだろう。
(編集部)
最終更新:2021.03.02 12:06