さらに、ネトウヨ芸人のブラマヨ吉田敬は「高須先生の評判を下げるためのスパイ説にしても稚拙じゃないですか。高須先生のためにちょっとでも票を増やすっていう方向やとしても稚拙じゃないですか。成人式に暴れてる奴並みに何考えてるのかわからん。何がしたくてやってんのやろうって」と、まるで愉快犯が勝手にやったような一方的推理を開陳する
いや、吉田だけではない。この日の『バイキング』では、多くの出演者が「すぐにばれるのに」「手口が稚拙すぎる」などと強調することで、「リコール運動の主催団体が組織ぐるみでそんなことをやるはずがない」という結論に持っていこうとしていた。
しかし、今回のリコール不正は、ボランティアの告発や勝手に名前を使われたという地方議員の告発があったから選管が調査に乗り出したもの。それがなかったら、全数調査はおこなわれていない。しかも、当初は告発があっても高須院長らは頑なに調査を拒否していた。ようするに、不正は「稚拙」「すぐにばれる」どころか、闇に葬られていた可能性も十分にあったのだ。
しかも、署名偽造には多額の金がかかっており、普通に考えれば、リコールを成立させたい、あるいは署名者数を多く見せたい団体関係者が指示したと考えるのが普通だろう。
しかも、この日の『バイキング』に呆れたのは、リコール不正は組織、事務局ぐるみだったことを疑わせる証言や証拠が続々出てきているのに、それを無視したり、荒唐無稽な解釈で他に罪をなすりつけようとしていたことだ。
たとえば、事務局幹部から広告関連会社G社へ出された発注書。『バイキング』では、G社が事務局幹部のものとみられる発注書を県警に提出済みであること、田中事務局長らは事務局の関与を否定していることが解説されたのだが、坂上はこんなことを言い出した。
「事務局から発注書が送られたという形にはなっているけれども、事務局の誰か、田中さんでも高須さんでもない誰かが内緒で、二人に内緒で発注書を送ったのか、あとは、広告関連会社のほうが架空発注書っていうパターンも、可能性はどうなの?」
実際に大量のアルバイトを動員し会場を抑え、番組の試算でも約800万円もの金がかかっているのに、広告関連会社はなんのメリットがあって架空発注書をつくるというのか。ちなみにその後の報道によると、今年に入ってから事務局幹部は広告関連会社に対して発注書の返還を繰り返し要求し、「返してほしい。あれがなければ大丈夫」と述べていたという。
しかも、坂上は広告関連会社のコメントについてもこう批判していた。
「『捜査中だから差し控えさせていただきます』ってよく政治家さんも使う常套句だったりするんですけど、後ろめたさがなかったら、捜査中だろうがなんだろうが、喋れることは喋れるし、電話もかけちゃうし、ああいうことなんじゃないんですか、やっぱり」
高須院長や事務局の関与に関しては高須氏の主張に丸乗りし無茶苦茶な論理で擁護する一方、署名偽造に関わった広告関連会社については、明らかに犯人扱いして責任を追及するのだから、開いた口が塞がらない。