首相官邸HPより
首都圏の1都3県に昨日7日、再発出された緊急事態宣言だが、前回とは比較にならない感染爆発状態にあるというのに、時短営業や外出自粛が「午後8時以降」と限定的であることなどから、「これで感染者数が減るのかと考えているのか」と早くもその効果を疑問視する声が殺到している。
当然の反応だろう。実際、菅義偉首相は昨晩の会見で、数値目標を掲げることも期間を1カ月とした説得力ある根拠も語らず、「1カ月後には必ず事態を改善させる」「とにかく1カ月で何としても感染拡大防止をしたい」などと言うだけ。一方、記者から「仮に延長となった場合は1カ月程度になるのか」と質問された際には、「仮定のことについては私からは答えは控えさせていただきたい」と逃げたが、ようするに菅首相は1カ月後の想定さえしていないのである。
しかも、この会見の冒頭発言の最後、菅首相はなんと「私からの挨拶とさせていただきます」と締めくくったのである。菅首相のポンコツぶりは本サイトでは何度も指摘していることではあるが、いくらなんでも、緊急事態宣言を説明する会見で、こんな結婚式の来賓のようなこんなセリフが出てくること自体、切迫感がないことの証明だろう。
だが、菅首相の問題は記者会見のひどさや感染防止対策への関心のなさだけではない。緊急事態宣言の発出でさらに苦境に立たされる人びとへの支援策についても、まったく考えていないのだ。
今回、政府は時短営業をおこなった事業者に対する給付金の増額、今年2月末までとなっている「雇用調整助成金」特例措置の延長と大企業の助成率を最大75%から100%への引き上げをおこなうというが、いまのところ打ち出されている追加の支援策はたったのこれだけ。
そればかりか、緊急事態宣言を発出したというのに、企業倒産を防ぐための「持続化給付金」や「家賃支援給付金」は、予定どおり1月15日で申請期限を終了させ、延長しないというのだ。
実際、昨日の会見で記者から「持続化給付金の第二弾は考えているのか」という質問が飛んだが、菅首相は「雇用調整助成金」の話にすり替え、そのほかの支援策は「検討していきたい」と語るのみで、「持続化給付金」の第二弾の実施という質問には何も答えなかった。