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【2020年読まれた記事】安倍政権がコロナ対応よりも言論弾圧に必死!『モーニングショー』や岡田晴恵教授を標的、デマと詐術を駆使して批判を封じ込め

 厚労省が流した情報が「デマ」であることを取材によってあきらかにし、直接厚労省に突きつけた『モーニングショー』には拍手を送りたいが、今回の厚労省のツイートは重大な問題だ。というのも、新型コロナにかんしては、厚労省や首相官邸が発信する情報は一次情報として扱われ、信頼のある情報だという前提があるからだ。にもかかわらず、その厚労省の公式ツイッターアカウントが「デマ潰し」を装って、特定番組を名指しして逆にデマを流した。これにより『モーニングショー』への信頼は大きく失墜させられたことは間違いない。

 玉川徹氏は番組内で「僕の疑問なのは、なぜうちの番組の名前を名指しで、この時期にこのツイッターを出したかなんですよ」と指摘していたが、じつは『モーニングショー』を名指しして報道内容にいちゃもんをつけたのは厚労省だけではない。6日午前1時35分にも、内閣官房国際感染症対策調整室の公式ツイッターアカウントが、こんな投稿をおこなっている。

〈3月5日のテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で、「総理が法律改正にこだわる理由は、『後手後手』批判を払しょくするため総理主導で進んでいるとアピールしたい」というコメントが紹介されています。〉
〈法律改正をする理由はそうではありません。あらゆる事態に備えて打てる手は全て打つという考えで法律改正をしようとしています。〉
〈現行の新型インフルエンザ等対策特別措置法では未知のウイルスしか対象としておらず、新型コロナウイルスはウイルスとしては未知のものではないので、今のままでは対象とならないからです。〉

「特措法では未知のウイルスしか対象としていない」などと主張しているが、特措法にはそんなことは一言も書いてない。一方、感染症法では、新感染症は〈既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもの〉とある。普通に考えれば新型コロナもこれにあたると解釈できるし、特措法が適用できるはずなのだ。

 これは何も本サイトだけが主張しているような話ではない。実際、政府の新型コロナ専門家会議のメンバーで特措法の立法にも専門家会議議長として携わった岡部信彦・川崎市健康安全研究所長は、5日の参院予算委員会で“新型コロナは特措法に適用可能”だと認識を示している。つまり、安倍首相がなぜかそれを否定しつづけているだけなのだ。

 本サイトでも指摘してきたが、安倍政権はこれまで集団的自衛権容認、黒川弘務検事長の定年延長への国家公務員法適用など、さんざん法解釈を捻じ曲げてきたというのに、今回だけ厳密さを求めているのはあまりに不自然だ。そして、本サイトの取材でも「安倍首相はとにかく自分の手ではじめて緊急事態宣言を出して、決断力をアピールしたいと考えている」という情報を得ている。つまり、『モーニングショー』の「後手後手批判払拭のため総理主導をアピールしたい」という見方は実際に出ているものなのだ。

 政府の専門家会議メンバーさえも否定しているのに、内閣官房は「新型コロナは特措法の対象にならない」と主張し、特措法を適用しようとしない安倍首相の不可解な姿勢の背景という当然の論評に対し、厚労省と同じように『モーニングショー』をわざわざ名指ししてあげつらう……。これはあきらかに、『モーニングショー』を狙い撃ちにした言論弾圧にほかならない。

 しかも、厚労省と内閣官房が偶然、同じようなタイミングで『モーニングショー』を槍玉にあげたとは考えにくく、安倍官邸が関係省庁に投稿の指示を出している可能性が高い。現に、厚労省は『モーニングショー』の取材に「訂正したい」と述べた際、「そんなことは国会でも言っていない」と説明している。とかく国会答弁との整合性を気にする官僚が、わざわざ「デマ」の投稿をするとは思えず、答弁との整合性など気にしないもっと上の判断で、指示に沿って投稿したとしか思えないのだ。

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