ついでにいえば、高須院長にはもうひとつ、詳しく調査したうえで説明すべき問題がある。
言うまでもない、愛知県の大村秀章知事リコール運動をめぐる不正疑惑についてだ。
周知のように、2019年の「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」をめぐる問題以降、高須院長ら極右安倍応援団はネット右翼と一緒になって“大村知事バッシング”を展開。今年6月には高須院長が中心になって「お辞め下さい大村秀章愛知県知事 愛知100万人リコールの会」なる団体を設立、実際に署名を募った。
期限までに集まった署名は、必要な法定数約86万人に対して半分程度の約43万人分で、11月7日に高須院長が終結を宣言していたのだが、いま、その43万人の署名のなかに、不正があった可能性が指摘されているのだ。
12月4日には、署名活動を担ったボランティアの男性らが記者会見を開き「不正な署名が多数あった」「同一筆跡の署名が多数あった」と告発したうえで、事務局への不信感を訴えた。さらに、現職の愛知県議や、市議、市長らが、無断で署名に名前を書かれていたと実名で証言した。
22日の中日新聞は県議らの告発をこう報じている。
〈愛知県議の神谷和利氏(自民、豊田市)は、不正な署名が含まれている疑いをインターネットで知り「解職を求めていないのに名前があったら困る」と市選管に個人情報の開示を請求。名前があると連絡を受け、「刑事告訴も頭にある」と憤った。同様に名前があった杉江繁樹県議(同、常滑市)も「真相を究明してほしい」と警察に被害を伝えたという。
碧南市議では自民系の十三人全員が開示請求し、小林晃三、新美交陽、磯貝忠通の三氏が無断で名前を書かれていた。小林氏は署名集めをする「受任者」の欄に名前が使われ「ひどい。誰がやったか想像もつかない」と語った。
田原市の山下政良市長も開示請求で、署名簿に名前があることが発覚。住所と生年月日も書かれており、「誰が書いたか分からないが大変遺憾」と話した。〉