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菅首相の追加経済対策が“自助”丸出し! コロナ感染対策は10分の1以下、大半が新自由主義経済政策に…坂上忍も「バランスおかしい」

 こうした菅首相の姿勢に対しては、昨日8日放送の『バイキング』(フジテレビ)でも、坂上忍がこのように怒りをあらわにしていた。

「もう『最大限』とかそういうことではなく、まず医療関係の環境を良くするっていうのが(必要)」
「あの人(政治家)たちの金じゃなくて、税金なわけ。この状態でどこに使って納得するかと言ったら、医療関係。経済を無視しろなんて言ってない。どう考えてもあのバランスはおかしすぎる」

 また、政権寄りで知られるコメンテーターのミッツ・マングローブでさえ「具体的な数字みたいなのを提示されないと、人間のモチベーションって正義だけで保たれない。正義というか、ほんとにバカバカしくなってきちゃうってことが絶対にある」と発言。医療従事者の“正義感”に頼り切っている政府の態度に対し、こうした坂上やミッツのような意見を多くの国民が持っていると思うが、それも今回、菅首相は正面から裏切ったのだ。

 だが、今回の追加経済対策でもっとも菅首相の自助思想が全開となっているのが、国民の生活を支えるさまざまな支援策の打ち切りだ。

 たとえば、「雇用調整助成金」の特例措置は〈来年2月末まで延長のうえ、3月以降、段階的に縮減〉と明言。「延長」といえば聞こえはいいが、実態はコロナ感染拡大がつづくと予想される時期で縮小させると言うのである。

 さらに、今回の追加経済対策では「持続化給付金」と「家賃支援給付金」についての言及はなく、昨日、梶山弘志経産相が閣議後会見でこれらの申請期限の延長を発表。しかし、その延長というのは来年1月15日が締め切りだったのが1月末になるだけだ。

 東京大学の研究チームが感染リスクが高まると指摘した「GoToトラベル」は、一時中止どころか、政府の新型コロナ対策分科会に諮問することもなく来年6月末までの延長を決め、予備費から3000億円を追加投入する方針を示しながら、今後、さらに厳しさが増していくことは間違いない国民の雇用や生活を支える支援策は早々に打ち切る──。政策が完全に状況と逆行しており、とてもじゃないが正気の沙汰とは思えないのだ。

 そればかりか、「持続化給付金」の打ち切りからも明らかなように、菅首相は新型コロナを利用した“中小企業の淘汰”をも目論んでいる。この問題については別稿で詳しく取り上げるが、ともかく、この経済対策は「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための」ものではなく、菅首相がいよいよ本格的に国民に「自助」を迫る内容だということに国民は気づかなくてはならない。

最終更新:2020.12.09 03:01

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