小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

大統領選不正デマを拡散した日本のトランプ応援団の妄言総まくり! 百田尚樹、橋下徹、平井文夫、木村太郎…

 それにしても、日本のネトウヨや右派論客たちはなぜかくもトランプが好きなのだろうか。差別主義者のトランプからすれば、非白人の日本人だって差別の対象だと思うのだが、ヒステリーを起こしデマを振りまいてまで、トランプを応援するというのは尋常ではない。先日、虚構新聞がパロディで「敗北トランプ氏、「日本初の外国人総理大臣」に意欲」という記事を出していたが、外国人排斥がモットーのネトウヨや右派論客がトランプについては首相就任を待望しかねないくらいの信奉ぶりなのだ。

 上述の門田隆将氏、百田尚樹氏、有本香氏ら右派論客たちは、「バイデンは中国に甘い」「バイデンは中国と裏で繋がっている」などとしたり顔で主張していたが、これもまったく的外れで、トランプ肩入れの理由になっていない。

 最近、当のバイデンが菅義偉首相との電話会談で尖閣諸島を日米安保条約の範囲内であると明言したという報道もあったが、そもそも対中政策については、かなり前からトランプもバイデンもほとんど変わらないというのが、多くのアメリカ政治の専門家の共通認識だった。それどころか、貿易問題だけで人権問題にまったく関心のないトランプよりもバイデンのほうが香港やウイグル、南シナ海問題により厳しくなるだろうという見方さえあった。

 にもかかわらず、日本の右派が「バイデンが大統領になったら中国がやりたい放題になる」「バイデンは中国と裏で繋がっている」などと、素人みたいなことをわめいてきたのは、結局、彼らにとってそういったリアルポリティクスなんてなんの関係もないからだ。

 日本の右派論客やネトウヨにとって重要なのは、民主主義や人権を否定し、差別や排外主義を全面肯定するイデオロギーだけ。トランプはその価値観を共有し、グロテスクな思想を体現してくれる存在なのだ。

 実際、彼らがいかにトランプのヘイトとフェイクにまみれた価値観ややり方そのものに共鳴していたかは、2017年12月、スティーブ・バノン元米大統領首席戦略官が来日したときの反応を見れば、よくわかる。

 バノン氏はトランプ大統領の元側近で、政敵を貶めるフェイクニュースを発信し、イスラムヘイトや女性・性的マイノリティに対する差別を扇動している悪質なニュースサイト「ブライトバート」の当時会長を務めていたが、この来日の際、右派系シンポジウムに参加した。

 そして、このシンポジウムには日本側から出席していたのが、百田尚樹氏をはじめ、評論家の金美齢氏、石平氏、西村幸祐氏、田母神俊雄氏など、極右界隈でおなじみのメンバー。バノン氏とのスペシャルトークセッションに登壇したのが、木村太郎氏と自称文芸評論家・小川榮太郎氏の2人。トランプの最も醜悪な部分を支えてきたバノン氏と意気投合していた。

 とくに、木村氏は「日本人はアメリカのフェイクニュースの犠牲者だと言っても過言ではないですよ。なぜなら日本のメディアはアメリカの主流メディアと関係しているわけで、私たちはそれとは違うオルタナティブなニュースを聞くことができないのです。バノンさんはブライトバートをおもちですね。私はこう提案したい。ブライトバートのアジア支局を開いてはどうでしょう、ここ東京に! ぜひ日本語でニュースを出してください」とまで言っていた(ちなみにバノン氏は、2019年に来日した際の自民党本部の講演でも、日本の極右勢力のヒーローである安倍首相のことを「世界中に広がるポピュリストやナショナリストの草の根運動にとって、安倍首相は偉大なヒーローだ」「トランプ氏がトランプ氏である前に安倍首相がトランプ氏であったとも言えるわけです」と絶賛していた)。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。