「麻生様は偉い人なんだから偉そうにして当たり前」「言葉遣いに気をつけろ」って、連中の奴隷根性は知っていたが、まさかここまでとは思わなかった。いったい、薬丸発言の何が問題だというのか。薬丸の語ったことは、悪口でもなんでもなく、国民としての至極真っ当な批判にすぎないではないか。
実際、麻生財務相といえば、パーティや会合での差別発言だけでなく、政権に問題が起きたとき、信じられない開き直り発言や報道陣に対してとんでもない対応をすることで有名だ。
たとえば、福田淳一・元財務事務次官のセクハラ問題では「はめられて訴えられているんじゃないかとか、世の中にご意見ある」と被害女性を攻撃した挙句、「セクハラという罪はない」「殺人とか強制わいせつとは違う」と、まるでセクハラがたいした問題でないかのように開き直り。
管轄の金融庁で「老後2000万円問題」が勃発したときも、当初は、報道陣に「100歳まで生きるってことを考えたことがあるのか」「いまのうちから考えておけってこと」と説教。
また、公文書改ざんでは「個人の問題、個人の資質は大きかった」と自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんに責任を押し付け。その後、赤木さんの遺書と手記が「週刊文春」(文藝春秋)で公開されても、いったんは「週刊文春」のゲラを読んだともらしておきながら、「私は(手記の)現物をいただいていませんから」「読んでいないのでなんともお答えしようがない」と回答を拒否した上、こう言い放った。
「ちょっとさあ、財研(財政研究会=財務省の記者クラブ)だったらさあ、WTI(原油価格)が20(ドル台まで)も下がってどうですかくらい(の質問が)出んのかね? えらいことじゃないの(笑)」
コロナ対応もひどかった。休校措置にともなう補償をするつもりはあるのかという質問に、麻生首相は「つまんないこと聞くねえ」「上から(上司から)言われて聞いているの? 可哀そうにねえ」と記者を攻撃して、ごまかしたこともある。
さらに、安倍首相の健康不安問題でも、質問する記者に「140日休まないで働いたことないだろう? 140日働いたこともない人が、働いた人のこと言ったって、わかんないわけですよ」と、上から目線の混ぜっ返しをしたばかり。
とにかく、記者の質問にはまともに答えず、そのかわりに「自分は特別な人間だ」という上から目線丸出しで、悪態をつき、高圧的な物言いで追及を封じ込むこの態度は、とても副総理のものではない。麻生首相に対しては、ほとんどの国民が「おまえは何様なんだ?」「こんな物言いしかできないんだったら、とっとと辞めろ」という感想を抱いたことがあるはずだし、実際、メディアやネットでもそういった批判が山のようにあった。
しかも、それはもともと政権に批判的な人たちだけが言っているわけではなかった。安倍政権や自民党支持者のなかにも、麻生首相の上から目線や数々も暴言については、批判的な声が少なくなかった。