とにかくテリー伊藤の説明は何から何まで矛盾だらけで、実際は事前の情報を知らされていたのに、騒動になったためごまかましたとしか思えないのだ。
しかも、テリーの証言がどうあれ、会見を生中継した『ミヤネ屋』には、事前に会見内容を知っていたのではないかという疑惑がある。
それを象徴するのが、『ミヤネ屋』が会見開始前に出していたテロップだ。『ミヤネ屋』では、まだ会見がスタートしていない番組スタート時の13時55分の段階で、「速報“コロナ”治療 効果が期待できる薬 発表へ 大阪吉村知事&松井市長会見」というテロップを出していた。
これについては、吉村知事が11日の会見で「当日の朝10時に大阪府のホームページに、大阪府病院機構と僕と松井市長で共同発表すると出した」と説明したことから、「大阪府のホームページに告知が出たため、推測したのではないか」などという反論が出てきているが、それはありえない。
というのも、大阪府のHPを確認しても、大阪府・市と大阪はびきの医療センターによる〈研究結果が取りまとめられるとともに、引き続き協力を行っていくこととなりました〉〈研究概要及び府・市による研究協力の内容〉について共同記者会見をおこなう、としかアナウンスされていないからだ。
これで、「治療に効果が期待できる薬の発表」などと具体的にテロップを打つなんてことができるはずがない。というか、事前に何らかの確証を得ていなければこんなテロップは怖くて出せるわけがない。
さらに、『ミヤネ屋』では、14時20分ごろから会見の中継をはじめ、吉村知事がポビドンヨードを含んだうがい薬が「コロナに効く」と言い出してわずか約15分後の14時35分には、手書きではなくデザインされた「ポビドンヨードとは」「ポビドンヨードが感染対策に有効な理由」というフリップを出して解説をおこなっていた。たった約15分で、情報を手早くまとめ、デザイン・印刷をおこない、フリップをつくり上げたというのだろうか。
こうしたことを見ても、『ミヤネ屋』に事前に情報が流れていたことはほぼ間違いがないのだ。しかも、それは吉村知事サイドや大阪府関係者も認識していた可能性は高い。
なぜなら、もし、『ミヤネ屋』が吉村知事や大阪府の許可なく、このような事前報道や煽り報道をしていたとしたら、役所から完全にフライング認定され、出入り禁止になっているはずだからだ(それは逮捕を前打ちしたメディアに対する検察庁や警視庁の姿勢を見れば明らかだ)。
しかし、『ミヤネ屋』はそういう処分を一切受けなかったどころか、会見から2日後の6日にも吉村知事は嬉々として番組に出演した。この事実を見れば、『ミヤネ屋』の事前報道と吉村知事サイドの間に何らかの関係があったとしか思えない。