たしかに、行政が一方的に感染者の出た企業名や店舗名を公表するのは問題だし、個人名などは一切出すべきではないと思うが、規模の大きい企業や客が多数出入りしている店舗などでは、自ら感染者が出たことを公表する社会的責任がある。ましてや、メディアやジャーナリズムは、コロナに関する情報を扱い、取材をしているわけだから、自分たちの会社で感染が発生したら状況をきちんと伝える責務があるはずだ。小学館も「週刊ポスト」や「女性セブン」「ポストセブン」などで、有名人や店舗、他の企業の感染などを報じているわけだから、自分の社に感染者が出たときだけが頰被りというのはありえないだろう。
しかし、一方では「小学館は社内にきちんと報告しているだけまだマシ」という見方もある。実は、6月以降、1名の感染者も発表していない新聞社やテレビ局、大手出版社があるが、そのなかに「ほんとうは感染者が出ているのに、社内にすら知らせていない会社があるのではないか」という見方が広がっているのだ。
大手出版社のある社員がこう話す。
「うちの社は4月に1名出たきり、社内でも感染者が出たという話は一切報告されていない。しかし、社内には長期に休んでいる人間もけっこういて、社内では『実際は感染者が出ているのに、会社が社員にも隠しているんじゃないか』という疑心暗鬼の声が広がっています」
いずれにしても、これでは、マスコミに「感染者が大量に出たホストクラブやキャバクラの店名を公表しろ」などという資格はない。各社はいま一度、社内の感染状況をきちんと公表すべきではないか。
(編集部)
最終更新:2020.07.27 05:26