しかも、その東京除外についても、政府は完全に東京に責任を押し付けている。
実際、政府関係者は「小池氏のおっしゃる通りにやっただけ。都民への説明責任はむしろ都にある」「除外は小池氏が望んだこと。それに尽きる」と発言(毎日新聞17日付)。
同じように、“安倍官邸の代弁者”である田崎史郎氏も17日放送の『ひるおび!』(TBS)で、東京除外は安倍首相と今井尚哉首相補佐官、菅官房長官の三者会談で決定したと解説し、「小池都知事も都外に出るのを控えてくださいと、(特措法)24条9項に基づく要請ですと言われた。ランクが上がったわけです。法律に基づく要請になった。そうすると、当然のことながら『Go Toキャンペーン』にも参加できなくなりますよね?」「東京都を外すということは理屈がなきゃできませんから、そういうときやっぱり小池さんの発言が重かったということです」と説明していた。
普通、全国各地の感染者の増え方を見て総合的な判断をするのが当然であり、東京近県や大阪、愛知といった都市部の感染の広がりを考えれば東京除外で済む話ではまったくない。だが、何が何でも「Go To」を決行したい安倍官邸は、東京除外の根拠を小池発言に押し付け、御用ジャーナリストにそれを喧伝させているというわけだ。
この田崎氏の説明に対しては、片山善博・元鳥取県知事が「知事がどう言ったこう言ったというのはウイルス対策としては関係ない」「日頃あんまり好きではない小池さんがいろいろ言っても無視していたのに、こういうときだけ揚げ足とるみたいに『知事が言ったからだ』なんていうのは、まったく説得力ない」「『知事が言った』というなら秋田県の知事も県内だけでやっているのにと不満を言われてましたけど、じゃあ秋田県は対象から外そうとならなければ理屈が合わない」と批判していたが、まったくそのとおりだろう。
まったく安倍官邸は国民の命にもかかわる問題を何だと思っているのかと言わずにいられないが、じつは、政府の責任を「東京問題」にすり替えるために、安倍官邸が“情報操作”にまで乗り出している疑惑まである。