大谷医師への攻撃を取り上げた『おはよう日本』
新型コロナウイルス感染が拡大しはじめた2月中旬ごろから、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日)をはじめ、『Nスタ』『news23』(TBS)といったテレビ番組に連日出演していた、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫氏が、ネトウヨに卑劣な攻撃を受けていたことを今朝放送の『おはよう日本』(NHK)が報じた。
大谷医師は、PCR検査抑制問題やマスクなど医療品不足について、医療の現場にたずさわる医師という立場から改善を訴えていた。その物腰はやわらかく、国民の目線で、政府に検査・医療体制の整備を要求してくれる頼もしい存在だったのだが、ところが、3月上旬のある時期を境に大谷医師はテレビからその姿を消してしまった。
本サイトでは、当時、大谷医師がテレビ出演を控えるようになった理由に、大谷医師に対して安倍応援団やネトウヨ、“検査不要派”から激しい抗議や嫌がらせがあったこと、しかもこうした攻撃が大谷医師のクリニックにまで及んでいたことを報じた。
さらにこのような大規模な嫌がらせ・抗議が、3月5日に安倍応援団文化人が投稿したデマツイートにより引き起こされたものであることを指摘していた。
それから約4カ月を経て、本日7月3日放送『おはよう日本』(NHK)でも、この大谷医師攻撃の問題が取り上げられた。
番組では、大谷医師自身が取材に応じ、3月6日からテレビのコメントに対する抗議の電話が非通知で多数かかってくるようになったことを明かした。
クリニックの受付を務める大谷医師の妻もNHKの取材に対し、「政府批判」「なんであんなことを言うんだ」などという電話が1日に何十件もかかってきたり、見知らぬ男性がクリニックにまで「反日」と怒鳴り込んでくるなど、被害の実態について明かし、「医療現場の話をすることが、なぜ反日になるのかわからない」と語った。
さらに大谷医師も「別に政権批判したつもりはない。検査が必要な人に検査をさせてほしいと現場の声をお伝えしたつもりなんです」「医療の知識のない方、医者でない方、患者さんも診ていない方に、現場の声を潰されたら、現場で実際に何が起っているかがまったく届かなくなってしまう、というのが大問題なんじゃないかと思います。言論統制などあるわけないと思っておりましたので、これからの日本はどうなってしまうんだろうと本当に心配です」と訴えた。
『おはよう日本』では、なぜか当初、大谷医師の発言が、政権に批判的な立場の人たちから賛同を集めたことが、政権擁護者たちからの批判を招いたかのような分析をし、直接的に攻撃の発端となったデマツイートに関してもさらっとしか触れていなかった。
しかし、大谷医師がテレビ出演するようになった2月中旬から2週間経った、3月6日から突如抗議電話がかかってくるようになったということからすると、やはり3月5日の安倍応援団のデマツイートが攻撃を引き起こした大きな要因であったことが、あらためて明らかになったと言えるだろう。
このデマツイートをめぐる経緯も含め、ネトウヨ・安倍応援団による大谷医師攻撃についてスクープした3月17日の記事を以下に再録するので、あらためてご一読いただきたい。
(編集部)