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トランプと戦う米ツイッターとは大違い! ツイッタージャパンの反差別に対する消極性 代表には「MSN産経」を生み出した過去も

 さらに、5月29日には、トランプ大統領のツイートに対して「警告」を出した。問題のトランプのツイートは〈略奪が始まれば銃撃を始める〉と、抗議運動に参加する市民を武力で脅しつける内容だった。これに対してTwitter社は「暴力の賛美についてのTwitterルールに違反しています」として、クリックされない限りは表示されないような処置をとったのだ。

 ステイアットホームが呼びかけられるなかにあって、Twitter本社が差別抗議運動への迅速な共感を呼びかけ、差別を煽動するトランプ大統領の投稿に警告を出した意義は極めて大きい。これが差別に反対する世界的スタンダードということだろう。

 しか、不可解なのは、そのTwitter社の日本法人であるTwitter Japanだ。前述のように、米国のTwitter社は自社アイコンを黒くするなど、大々的に「Black Lives Matter」を支持しているが、かたや、Twitter Japanの公式アカウントを見てみると、レイアウトは以前と変わらず、「#Black Lives Matter」のタグすらつけていない(なお、Netflixの日本語版であるNetflix Japanは本社の投稿をリツイートしながら〈決して見て見ぬふりをしてはいけない、そう信じています〉とツイートしている)。これはどういうことなのか。

 さらに言えば、Twitter Japanをめぐっては、アメリカでの差別抗議デモと同時期に、日本の差別に反対する複数アカウントを「凍結」していることが憶測を呼んでいる。5月30日、東京・渋谷の路上でクルド人の男性が職務質問した警察官から暴力を受け、首などを怪我した事件を受け、警察による人種差別に抗議するデモが渋谷署周辺で行われた。ところが、その抗議デモの模様を動画配信した対レイシスト行動集団「C.R.A.C」のアカウント(@Nohatetv)が、同日夜にTwitter Japanによって「凍結」されてしまったのだ。渋谷抗議デモの動画が世界的に注目を集めているなかでの出来事だった。

 米国のTwitter本社が差別と軍や警察による暴力を助長するツイートに「警告」を出したのとは、まさに対照的としか言いようがないだろう。なぜ、人種差別に反対しているアカウントをTwitter Japanは突如として「凍結」したのか。このあまりにも不可解な判断に、ネット上では批判があがるとともに、「Twitter Japanはヘイトに味方しているのではないか」との声も広まっている。

 実際にTwitter Japanはこれまでも、差別に反対するアカウントを数多く「凍結」してきたという“前科”がある。一方で、差別を撒き散らしているアカウントに対しては“寛容”なことに定評があり、事実、在日コリアンへのヘイトクライムを煽った百田尚樹氏や、ナチを礼賛する投稿を行った高須クリニックの高須克弥院長などの極右著名人のアカウントが「凍結」されるようなことはめったになかった。

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