だが、この“安倍首相の代弁者”の無批判な姿勢に、声を荒げる者がいた。火曜コメンテーターでジャーナリストの大谷昭宏氏だ。大谷氏は同じく独立性が求められる裁判官を例に挙げた上で検察庁法改正案の危険性を訴え、田崎氏にこう迫ったのだ。
「こういうことをしていったらですね、司法の独立というのはここが蟻の一穴で、いくらでも崩れていく。それ、ジャーナリストとしてですね、『ダメだよ、これは!』という声をあげなきゃいけないんじゃないですか?」
三権分立が脅かされようとしているのに何も言わない田崎氏はジャーナリスト失格だ。そう言わんばかりに、政権擁護を垂れ流すだけの田崎氏に大谷氏は怒りをぶつけたわけだが、しかし、田崎氏はそれに答えず、こんなめちゃくちゃな言い逃れを口にしたのだ。
「政府は誰が選んでいるかっていうと、国民の選挙によって選ばれているわけですね」
「国民の投票によって議員が選ばれて、議員のなかから過半数を制したところが内閣を構成する。それが議院内閣制ですよね」
ようするに、「三権分立の危機に『ダメ』と言わないのはジャーナリストとしてどうなのか」と批判されたのに、田崎氏は“国民が選んだ代表が決めたことなんだから問題ない”などと主張しはじめたのである。
まったくふざけるな。選挙に勝ち、多数決で決められた者がすべてを白紙委任されているわけではない。しかもいまは三権分立という民主主義の大原則を崩そうという独裁的な法改正がなされようとしている。だからこそ国民は声をあげているのではないか。実際、この田崎氏の詭弁に、ゲストのラサール石井はこう切り込んだ。
「いま田崎さんがおっしゃったのは、最終的に国民に行き着いていますよね。国民が選んだ人たちなんだから、という。で、国民がこれだけTwitterで声をあげているんだから。つまり、『内閣選んだから全部任せりゃいいんじゃないか』って話じゃないじゃないですか。必ず間違うことがある。それを監視するために国会があり、野党がいるわけですよね。国民が見ているわけだから。その声を、まったく無視するというのはおかしいんじゃないか」
しかし、田崎氏は「ん〜、だから無視はしていないと思いますよ。そういう意見があるっていうことを聞いて、いま審議しているわけですよね」などと返答。安倍自民党は国民の意見をまったく聞き入れず、改正案をそのまま押し通そうとしているのに何を言うかと思うが、さらに田崎氏はとんでもないことを主張し始めた。