さらに、日本共産党の小池晃参院議員も、6日におこなわれた会見でこう述べている。
「(対象となるのは)給与所得者なら単身者で月収8万円くらい」
「たとえば月収17万円の単身のサラリーマンが月収9万円になったとしても、これでは対象にならない」
月収17万円の単身サラリーマンが月収9万円になっても対象にならないとは、これでどうやって生活をしろというのか。しかも、同じ金額まで月収が落ち込んでも、わずか8000円月収が違うだけで給付される世帯とされない世帯に線引きされてしまうというのである。さらに、世帯主が夫である場合、妻の収入が新型コロナの影響でゼロになって世帯収入が半減しても給付されない。対象は世帯主のみだからだ。
安倍首相は「本当に厳しく収入が減少した人たちに直接給付がいくようにしていきたい」と述べたが、これで収入が減少して困っている人、困窮している人のところに給付がおこなわれるとは、到底考えられない設計なのだ。
本サイトでは、目の前の家賃や生活費に困っている国民がすでに出てきているのだから、とにかくスピード重視で一律給付するしかないと言及してきたが、安倍首相はそうした点には目を向けず、わざわざ条件を付けて国民を線引きし、ふるい落そうとしている。しかも、昨日の会見では、一律の現金給付を否定するために、こんな詭弁まで持ち出したのだ。
「自民党にも一律で給付したほうがいいではないかという議論がありました。私たちも検討した。例えば私たち国会議員もそうですが、公務員もいま、この状況でも全然影響を受けていない、収入には影響を受けていないわけであります。そこに果たして5万円とか10万円の給付をすることはどうなのだという点も考えなければならないのだろうと思います」
「国会議員は影響を受けていない」って、だったら国会議員だけ除外するか返納すればいいだけの話じゃないか。それを一律の現金給付の言い訳に使って、いま困っている国民のことを無視するのである。