しかし、これ、三浦センセイだけの話ではない。情緒や精神論で布マスク配布を擁護するというのは、今回、安倍応援団のパターンになっている。
高須クリニックの高須克弥院長も、布マスク配布が発表されるや、こんな擁護論を展開していた。
〈布製マスクは洗えば何度も使えます。何百枚もの使い捨てマスクより環境に優しく有用です。器用な日本人なら修理もコピーも簡単に出来ます。医療用のマスクはもともと布製でした。僕は布製のマスクが好きです。〉
「僕は布製マスクが好きです」って、それ、仮にも医療に従事している人間のコメントなのか。あげく、高須院長は戦時中の憲兵のような精神論まで持ち出した。
〈幼児のように、国に何でもしてもらおうと期待しないでください。
先の戦争あの時、日本人は空襲下で防空壕を掘り、防空頭巾を手縫いしました。僕は家族の掘った防空壕で生まれました。今は戦時下です。マスクぐらい自分で縫いましょう。このマスクを手本にして。〉(4月2日)
「欲しがりません勝つまでは」を地でいく時代錯誤のネトウヨ丸出しの論理(しかも、その戦争負けてるのに)。しかし、自分で縫えというなら、それこそ200億円以上もかけて配る必要なんてなくて、ニューヨーク・タイムズがやったようなマスクの型紙の新聞掲載で十分だったのでは……。高須院長、布製マスク配布を精神論で擁護しているうちに、つい安倍首相の政策を否定することになってしまったらしい。
擁護のしようがない政策を無理やり擁護しようという安倍応援団の苦しさがうかがえるが、ほかにもトンデモな擁護論を口にしていた、安倍応援団は結構いる。
八代英輝弁護士は4月3日放送『ひるおび!』(TBS)で「批判の声は大きいと思うんですけど、その影で声をあげない方で感謝しているっていう人も結構、その投書から見るといらっしゃるのかなという気はしています」と、安倍応援団以外にほとんど見たことがない「感謝している人たち」が「結構いる」と強弁。さらに、安倍応援団ジャーナリストの有本香氏は自身のツイッターで〈日本製の布マスク。着け心地最高〉と、感染とはなんの関係もない「着け心地」をアピールする始末だった。