いったいこのマスコミの沈黙はなぜか。ワイドショーが同業者のよしみで報道を控えたとかそういうゆるい話ではない。志らくは老舗大手芸能事務所・渡辺プロダクション系列のワタナベエンターテインメント(通称ナベプロ)所属なのだが、このナベプロが直接、メディアに報道しないよう圧力をかけてきたのだという。スポーツ紙記者が語る。
「文春発売の前日だったか、ナベプロから直接電話があり、報道しないよう要請があった。それでスポーツ紙はどこもネット版で少し触れるだけにして、本紙では取り上げなかったわけです。おそらく、各局ワイドショーにもうそういう要請が入っているはずです。本人に『グッとラック!』で説明させるから、とねじこんだんでしょう」
さらに「週刊文春」の第二弾記事によると、志らくのコメントも事務所が用意した台本通りに話したもので、事務所は「番組で話したことも紙面には載せないように」とスポーツ紙に要請していたという。
マスコミタブーの芸能事務所といえば、バーニングプロダクションやジャニーズ事務所が有名だが、近年、渡辺プロダクションもメディアにとって非常に強力なタブー的存在になっている。
実際、吉本芸人の闇営業問題でも、一緒にナベプロ所属のザブングルが証拠写真に写っていたのに、当初、『フライデー』(講談社)が報道したのは宮迫博之ら吉本芸人だけで、ザブングルについては一切、触れなかった。
「バーニングはメディアに利権をばらまくことで、ジャニーズはタレントパワーを使ってゴリ押しすることで支配力を強めてきました。一方、ナベプロは超売れっ子がいるわけでもないんですが、とにかくマスコミ担当の幹部が強硬でうるさい。細かいことにもいちいち文句をつけてくるんで、各社とも『面倒だからナベプロにはさわるな』となっている。しかも、ナベプロはAKB48メンバーを何人か抱えていたため、一時、AKBメンバーをグラビアに大量起用していた『フライデー』などの週刊誌も制圧してしまった。『フライデー』はジャニーズのスキャンダルはやりますから、ある意味、ナベプロはジャニーズ以上のタブーになっていると言ってもいい」(週刊誌芸能記者)
ようするに、志らくの浮気妻報道が「男気」美談に化けたのも、なんのことはない、プロダクションの力に守られた結果にすぎなかったのである。
もちろん、タレントが実力のある事務所に所属してスキャンダルから守ってもらおうと思うのはわからなくはないが、志らくはワイドショーの司会やコメンテーターとして、他人のゴシップをあげつらい、批判する立場。それが自分の問題はプロダクションの力で報道させない、というのはあまりに身勝手すぎるのではないか。自分のことが暴かれるのが嫌なら、とっととワイドショーの司会なんて降板すべきだろう。
(本田コッペ)
最終更新:2020.03.30 12:04