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辺野古土砂投入から1年──Coccoが県民投票日をタイトルにした新曲「2.24」に込めた思い、ウーマン村本の漫才と通底する怒り

「新基地はいらない」という声が安倍政権の圧倒的な力によってかき消され、ないものにされる。その象徴的な出来事のひとつが、安倍政権が辺野古の海に土砂投入した昨年のきょう、普段は辺野古の問題を深堀りしない「本土」のテレビ局もその様子を生中継して放送したことだ。メディアが手を貸し、安倍政権は土砂投入という既成事実をつくることで「もう諦めろ」と迫ったのである。

 しかし、これは騙しの手口でしかない。土砂投入から1年が経ってしまったが、工事は止められるし、なにより工事はほとんど進んでいないからだ。

 実際、沖縄県の試算によると、予定されている埋め立て海域は約2062万立方メートルにおよぶが、現在の土砂投入量は約20万5000立方メートル。つまり、まだ約1%しか投入されていないというのだ。この結果を踏まえ、昨日おこなわれた会見で玉城知事は「事業全体の進捗率は1%程度に過ぎない」「今の状況をもって県民があきらめ感を持つなどということは絶対にない」と述べている。

 無論、工事の妥当性にも疑問が出ている。そもそも大浦湾側の埋め立て予定地にマヨネーズ状の軟弱地盤があり、その深さは最深90メートルにもおよぶ。この深さの地盤改良をした実績は世界になく、国内の作業船で地盤改良できるのは海底70メートルまで。完成させても地盤沈下が起こることは目に見えているのだ。この問題を取り上げた12日放送『news23』(TBS)でも、地盤工学が専門である鎌尾彰司・日本大学准教授が「沈下量も25〜50年くらいの長期にわたりますと、1メートルを超えるような沈下になってしまう。1メートルも段差になりましたら、多分(基地の)機能としては果たせないと思う」と指摘している。

“マンション偽装”ならぬ“基地偽装”。ようするに安倍政権は、地盤沈下しようがなんだろうが「とにかくつくってしまえばいい」としか考えていないのだ。だが、完成しても基地が機能しないばかりか、補修に次ぐ補修でさらに費用がかさむ。それでなくても辺野古新基地建設工事には最大2兆5500億円もの巨額の費用がかかると沖縄県は試算しているが、その予算の出処はわたしたちの税金だ。

 工事はまだ止められる。しかし、県民の意思を無視しつづける安倍政権に工事をやめさせるには、国民全体でNOを叩きつけるほかない。村本が言うように、安倍首相だけではなく本土に住むわたしたちも沖縄の人びとを透明人間にしてその声を無視していないか。県民の民意を殺しつづける強権政治に加担していていいのか。きょうという日に、あらためて問い直すことが必要だ。

最終更新:2019.12.14 01:19

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