しかも、安倍政権にとっては来年、もうひとつ頭の痛い問題がある。それは「桜を見る会」問題の再燃だ。国会閉幕でこの問題の追及から逃げ切る気満々の安倍政権だが、永田町ではまったく別の見方が広がっている。ベテラン政治評論家はこう言う。
「政権のアキレス腱は、悪徳マルチ商法のジャパンライフとの関係だ。実は、永田町界隈では年明けに、検察がジャパンライフ元会長の強制捜査に踏み切るのではとの観測が広がっている。これまで政治に蓋をされ続けてきたジャパンライフ問題が、今回の『桜を見る会』問題で国民から大きな再注目をあびたことで、検察内はにわかに本気モードになっているという。仮にジャパンライフ関係者が逮捕されれば、来年の通常国会で『桜を見る会』問題は一気にぶり返す。政権は窮地に立たされるだろう」
言葉を継げば、ジャパンライフ問題はマスコミにとっても格好のネタだ。事実、安倍首相の後援会贔屓や「前夜祭」をめぐる開催費負担問題など、私物化や身内優遇に焦点が当たった段階では、テレビのワイドショーは集中的に取り上げることに及び腰だったが、これがジャパンライフとの接点が再浮上した途端、我先にと争うようにして報じだした。
ある民放キー局関係者は「ジャパンライフ問題で報道が盛り上がったのは、はっきり言って数字がいいから」とあけすけに語るが、ここに「強制捜査」というビッグニュースが加われば、さすがに連日連夜の大報道となるだろう。前述のベテラン政治評論家は「官邸関係者から聞いた話だが」と前置いて、こうため息をつく。
「お得意の経済政策による誤魔化しも、消費増税の悪手によって、その虚像が完全に崩壊しつつある。そんななかで解散などできない。いま、首相周辺が期待しているのは米朝交渉の決裂らしい。金正恩が核開発を本格再開し、トランプが武力行使をちらつかせ始めれば、再び“北朝鮮の脅威”を国民に喧伝することができる。そうなれば、憲法改正を訴えて、解散総選挙に臨み、あらゆる経済失政や不正をなかったことにできると踏んでいるようだ」
国民生活を困窮させる消費増税を断行し、自らのスキャンダル隠しのために米朝関係の悪化を望み、この国を危機に陥れる。こんな亡国宰相を放置しておいていいのか。日本経済が壊滅してからでは遅すぎる。野党は一刻も早くまず、消費税減税で一致し、安倍政権を追い込むべきだろう。
(編集部)
最終更新:2019.12.11 02:34