「これ見ててね、これで政権が倒れる感じには見えないんですよ、世論調査のポイントの落ち方見ても。で、明らかに安倍政権は初動対応として間違ったと思います。それはやっぱり例年ずっとやってきて民主党政権もやってきたからっていうのがあって、どのくらい実態として(招待人数が)拡大してしまっているのかとか、マルチ商法の人が呼ばれたのかってこともちゃんと把握せずにやっぱうっちゃろうとしたところがあって、その後、(来年の中止を)決めたときからは早かったですけど、つまり来年はしないと。中止と。だけどもやっぱりその初動の対応の影響って引きずるので、ただいま私が申し上げているのってダメージコントロールの観点なんですよ」
「初動対応」とか「ダメージコントロール」って安倍応援団が政権不祥事追及が盛り上がっているときよく使う常套句だが、不祥事や疑惑そのものでなく対応の問題にすり替え矮小化するものであることは言うまでもない。田原氏が「どういうこと?」と聞くと、三浦氏はこう続けた。
「ダメージコントールとして安倍政権の側から見た時にはまちがったね、と。ただ、これ国会全体とか与野党通しての政治の話として考えるとやっぱり説明すべきところはしっかり説明したほうがいいし、あと、やっぱもう一つ、ごめんなさい、すごい老婆心的な感じで言うとですけど、やっぱり野党さんは最初は関電の問題でいくって決めたじゃないですか。関電の問題を本国会ではやると」
「関電の問題」というのは、関西電力幹部が福井県高浜町の元助役・森山栄治氏から大量の金品を受け取っていた問題のこと。散々「いまさらな話」をしておいて、唐突に「関電問題」に切り替えた三浦氏の狙いは、その後を聞けば明らかになる。
「桜を見る会の話で、なんで関電のニュースを出したかっていうと、やっぱり(「桜を見る会」の追及は)立憲民主と国民民主を利してないんですよ、明らかに。共産党はわかんないですけど。やっぱりこの追及のやり方が明らかに利してない、なんでうまくやれないのか」
出た! 上から目線でぶっかます謎の説教モード! 表向きは「野党はもっとしっかりしろ」とエールを送っているように見えるかもしれないが、騙されてはいけない。実はコレ、三浦氏お得意のパターンで、「追及は野党を利していない」→「野党の追及は筋が悪い」→「他のことを話すべきだor国民は違うことを求めている」と繋げる“矮小化コンボ”の一発目。ようするに「追及は野党を利していない」と、まるで野党の追及が何か下心があってなされているかのように、さりげなく印象操作しているのだ。
さすがにタネが割れているので、番組では国民民主党の大塚議員が「別に自分たちを利するためにやっているわけじゃない」とかわし、話題を変えたことで不発に終わったが、読者諸賢もその手口を覚えておいてほしい。
その後も、田崎&三浦の“御用コンビ”は巧妙な政権擁護を連発していた。たとえば田原氏が「桜を見る会問題について「僕は安倍さんが説明すべきだって言ってんの」と述べると、田崎氏がすかさず「安倍さんは説明すべきなんだけども、僕は民主党が反社勢力、反社勢力って言われますでしょ。あれ何か証拠があるんですか」と口を挟む。
他にも、反社会勢力問題では、三浦氏が「基準を設けるべきというのは思いますよ」とエクスキューズしたうえで、こんなことを言っていた。