今年娘とともに「桜を見る会」に参加していた三浦瑠麗氏も、14日ツイッターで〈桜を見る会が中止に。おそらく「国民感情」への配慮。時の権力者が催す宴には「なぜあいつが呼ばれた」になりがち。全ては国民感情次第ということなのでしょう。〉と「呼ばれていない人の嫉妬」に矮小化。さらに三浦は、今朝の『とくダネ!』(フジテレビ)では「野党の攻め方がまずい」「収支報告のルールを統一されていない」「(前夜祭の)収支は報告書に書いたほうがいいと思うが、おそらく野党もやっている」などと、論点をすり替えた挙句、問題の張本人である安倍首相や自民党でなく野党のほうを攻撃していた。
他にも“安倍御用評論家”の加藤清隆氏は〈野党が騒いでいた「桜を見る会」前夜祭について、会費5000円でできたことがホテル側が出した領収書が発見され、一件落着〉と16日にツイート。〈野党側が入手したという1人1万1000円の見積もりはホテル側が否定。また高級寿司店の久兵衛が出店していたという野党側の主張も店側が完全否定。見事なくらい嘘だらけ〉と勝どきをあげているが、これこそフェイクだ。
昨日の記事でも指摘したように、ホテル名義の領収証は、パーティが特定されないように主催者名を外すサービスで、招待客が5000円しか払っていないという証拠に過ぎない。主催者が精算して領収証の発行総額を超えるパーティ総額を払っているのだ。しかも、「1万1000円をホテル側が否定」とか、ホテル側は「最低1万1千円」であると公知しているのに、いったい何を寝言を言っているのか。
また、寿司店・銀座久兵衛が「桜を見る会」前夜祭に提供していないことについては、加藤だけでなく、いま、ネトウヨたちが一斉に「野党のデマ」「安倍首相の無実が証明された」として吹き上がっているが、コレ、問題の本質には1ミリも関係ない。
というのも、本サイトでもお伝えしているように、「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」の会費は5000円であり、これで会の費用を賄えず補填がおこなわれていた場合、公選法違反にあたる。そして、本サイトが会場であるホテルニューオータニに取材し、会場費と料理代を含めて「もっとも安くていくらからか」と尋ねると「1万1000円のプラン」と回答し、「5000円のプラン」の存在をはっきりと否定した。久兵衛の寿司は「4貫2000円」との金額のオプションになるという。
ようするに、たとえ「4貫2000円」の久兵衛寿司オプションをつけていなかったとしても、ニューオータニが公知しているパーティプランでは最低1人あたり「1万1000円」はかかるわけで、参加費の「5000円」では足りないことには変わりはない。つまり、久兵衛の寿司が出ていようが出ていなかろうが、公職選挙法違反の疑惑はまったく晴れないのである。また一般客には応じられないとしている値引きを大幅にしていたとすれば、事実上の政治献金に当たる可能性も出てくる。
結局のところ、つるの剛士ら安倍応援団が言っているのは、「他の審議をしろ!」と野党批判にすり替えたり、久兵衛の寿司の件のように針小棒大に「野党のデマ」と騒ぎ立てることで、問題の矮小化をしているのだ。まさに、森友・加計問題でもまったく関係のない野党議員の「スキャンダル」を持ち出したり、北朝鮮問題などをあげて「モリカケやってる場合か!」などと叫んでいたことがフラッシュバックするかのようではないか。
だが、何度も同じ手口が通用すると思ったら大間違いだ。繰り返すが、「桜を見る会」をめぐる一連の問題は、総理大臣による私物化と税金の無駄遣い、そして後援会など一部の支援者だけに“ご褒美”を与えていることに他ならない。政治の大きな役割の一つが納税者から集めた税金をどう分配するのか、ということを考えれば、これは決して「くだらない」ではすまない。むしろ、安倍政権で何度も表面化している“お友だち優遇”問題と地続きの疑惑なのだ。
あらためて言っておく。日頃から政権を擁護することで本を売ったりメディアに出演している連中こそ、「桜を見る会」を私物化している総理大臣と一蓮托生。“同じ穴のムジナ”であって、どう詭弁を弄しても信用性など皆無だ。国民は怒っている。絶対に幕引きにさせてはいけない。
(編集部)
最終更新:2020.10.28 03:03