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『ミヤネ屋』でフェイク “文在寅攻撃の急先鋒” 武藤正敏・元韓国大使の正体! 徴用工企業の顧問を務め司法介入疑惑でも名前が

 もちろん、公訴状に名前があったといって、実際に武藤氏が徴用工への賠償を命じる判決を遅らせようとした一連の司法介入事件に影響を与えたかどうかはわからない。しかし、武藤氏と三菱重工という徴用工加害企業の関わりがたんに肩書き上の話ではなく、武藤氏がその企業が徴用工問題で賠償判決を受ける事態を回避するために動き、朴槿恵政権の関係者と接触を持っていた可能性は非常に高い。

 しかし、だとしたら、問題なのは、武藤氏がいま、メディアで語っている言論にも、恣意的な意図があると考えざるを得ないことだ。武藤氏は元政府関係者とは思えない露骨なトーンで「徴用工判決は文在寅が出させた」などと攻撃をしているが、判決後の文在寅大統領や政権の対応を見ていると、むしろそれまで朴槿恵政権がかけてきたような司法への圧力をやめただけにすぎない。それをここまで無理やり「文在寅のせい」とわめきたてるというのは、顧問を務めてきた企業の利益を損ない、自分が朴槿恵政権に行ってきた働きかけを覆されてしまった恨みが背景にあるからではないか。また、武藤氏は文政権の進める司法改革についても「親分である盧武鉉を自殺に追い込まれた私怨やトラウマによるもの」「文政権は検察や裁判所を独裁支配しようとしている」などと厳しい調子で批判していたが、裁判所や検察をもっとコントロールしようとしていたのは朴槿恵政権なのだ。ようするに、武藤氏はコントロールのリモコンを韓国右派に引き戻したいだけなのではないか。そう勘ぐられても仕方がないだろう。

 ところが、武藤氏は自分の徴用工問題との関わりを一切ネグり、あたかも客観的な専門家のような体で、嫌韓とないまぜに“すべては文在寅大統領のせい”とする攻撃を繰り返している。武藤氏を重宝しているワイドショーも同様だ。武藤氏のことを「元駐韓大使」と紹介するだけで、徴用工判決をめぐって韓国側要人と面会したと韓国紙に報じられていることはおろか、「三菱重工の元顧問」という肩書すら、一切、触れようとしないのである。

 そして、いまでは、この武藤氏の語っているフェイクも含んだ発言がまるで客観的事実のように流通し、MCや他の出演者も、その情報をおうむ返しのように口にするようになってしまった。

 いや、問題は武藤氏発の情報だけではない。いま、日本のワイドショーがしたり顔で解説している文在寅政権攻撃には、韓国の民主化運動を弾圧した朴正煕軍事政権を源流とする右派勢力発の恣意的な情報も数多く含まれているのだ。そして、ワイドショーはこれらの情報をもとに、朴槿恵時代の強権政治や司法、メディアへの圧力をネグり、あたかも文在寅政権が独裁政治を行い、司法やメディアに圧力をかけているかのごとき恣意的な情報を垂れ流している。

 その意味で言えば、日本の嫌韓報道は、日本国民の韓国への差別感情と敵対感情を煽っているだけではない。韓国の民主主義を後退させる行為にも加担しているのである。

最終更新:2019.09.18 09:14

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