参院選では法律の縛りでマイク一本で訴えた山本太郎代表だが、参院選後の初の新宿街宣(1日)ではモニターに各種データを映し出しながら聴衆との質疑応答をした。その中で日韓関係に関する質問も出た。(撮影=横田一)
ホワイト国除外の閣議決定前日に韓国への紳士的対応を求めた山本氏は、閣議決定から5日後の7日、渋谷での街頭記者会見でも同様の主張を表明した。日韓関係に関する私の質問に次のように答えたのだ。
「この直近での政権側の振る舞いを思い出したら、たとえば、『ホワイト国から除外しました』ということがあったと思います。私が疑問に思うのは何かというと、『それをすることによって得られるものは何なのですか』ということです。獲得目標があって施策を打つわけです。その獲得目標は何ですか」
新宿街宣で安倍外交を批判した立場は、韓国に批判的な報道が多いなかでも、全く揺らぐことはなかった。それどころか、山本氏はさらに、安倍政権の日韓対立を利用しようという“政治的思惑”にまで踏み込んだ。
「はっきり言ってホワイト国除外をすることによって、日韓の間柄における輸出入に大きな障害が出来たことは間違いない。『それによって得られるものは何なのか』と言ったら私はマイナスの部分しか見えない。それによって得られる獲得目標を決めていないまま、感情的な決定が下されている。もしくは、国内の行き詰まりの部分をナショナリズムで覆い隠そうとしている部分があるのではないか。そうでないというならば、『ホワイト国除外をした末に日韓関係をどういう形にしたいのか。そこで得られる利益をどう最大化できるのか』という説明がセットではないと、これは理屈が全く通らない。少し前に戻って北朝鮮との関係、アメリカが『(北朝鮮を)ぶっ潰す』的なことを言っている時に後ろから日本側もやいのやいのと言っていました。それによって得られたものはあったのですか。『圧力をかける』と言い続けて、結果、得られたものは何だったかと言うと、『蚊帳の外』だったということです」