北村経夫 ☆ 統一教会系団体から支援を受ける右派新宗教教祖の孫
元産経新聞政治部記者で、2013年参院選で自民党から初当選した“安倍チルドレン”の一人。政界入り後は安倍氏の出身派閥である清和会に所属、憲法改正や国防強化などのタカ派姿勢も安倍首相に近い、というか“コピペ的”な印象すら感じる。出馬には安倍首相の強い意向があったとも言われている。
北村氏自身は1期しか経験していないこともあり、全国的知名度はイマイチだが、朝日新聞2013年8月16日付によれば、当選時には「世界平和連合」と「天照皇大神宮教」という二つの団体から選挙支援を受けたという。前者は宗教団体「世界平和統一家庭連合」(旧称・統一教会)系の右派政治団体で、後者は山口県を本拠地とする新宗教だ。
実は、北村氏はこの天照皇大神宮教の教祖・北村サヨの孫にあたる。やや解説チックになるが、天照皇大神宮教の信者は念仏風の祈り文句を口にしながら独特の舞を披露するため、「おどる宗教」の異名をもつ。サヨは安倍首相の敬愛してやまない祖父・岸信介との関係が深かったとされ、「プレジデント」2015年5月4日号には「安倍首相は、以前から、踊る宗教のサヨに感心して“あの人はすごい人だ”と、よく話しています」との安倍氏周辺のコメントが掲載されている。
現政権を下支えする日本会議が複数の右派宗教団体にルーツを持つことはよく知られ、自民党議員と統一教会とのつながりも繰り返し報じられてきたとおりだ。北村氏に関しては実績のなさを考慮して☆1にしたが、“安倍政権と各宗教団体との関係”は今後の日本政治を考える上でも注視すべきだろう。
佐藤正久 ☆☆☆ ヘイトスピーチでネトウヨから人気の元自衛隊「ヒゲの隊長」
ネット右翼から「ヒゲの隊長」と親しまれる外務副大臣。安保法制の2015年には、安保法制のPRアニメ『教えて!ヒゲの隊長』のモデルに抜擢されたが、パロディ動画『ヒゲの隊長に教えてあげてみた』によって嘘をメッタ切りにされた。強行採決時には野党議員へパンチを繰り出し、その瞬間の写真が米CNNの報道写真展で同年を代表する1枚のひとつに選ばれている。
2007年に自衛隊から政界入りした佐藤氏は、もともとバリバリのタカ派だが、近年はその傾向がヘイトまがいにまでエスカレートしている。たとえば、2012年8月には〈根拠なく日本を盗人と言い、自らの違反行為には寛容な措置をと懇願する。どう考えても変、これが韓国人の思考?〉などとツイート、民族や国籍でひとくくりにするあきらかなヘイトスピーチだ。
また、2015年12月3日には、韓国籍の男が靖国神社の公衆トイレに爆発物を設置した事件をめぐるNHK報道について〈【靖国放火の不審者は韓国人、既に帰国】 過去に靖国神社の池への放尿や鳥居への語落書き等があったので、内心、やはりと思った方も多いのでは?〉などと投稿した。この時点で男は逮捕されていなかったが、「やはり」という言い方は「韓国人は犯罪を犯す」という誤ったイメージを流布し、差別を煽動する発言に他ならない。最近も徴用工問題や慰安婦問題で韓国を悪し様に言う投稿を繰り返しており、こういうところがネトウヨからもて囃される所以なのだろう。
さて、そんな佐藤氏は「外交・安全保障の専門家」を自負しているが、その実、国際外交から取り残されている事実は指摘しておきたい。たとえば昨年3月9日、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩委員長との初の首脳会談を開く意向を表明。遡る同月3日には、韓国大統領府が韓国の文在寅大統領と金委員長の南北首脳会談開催の合意を発表したが、それまで“圧力一辺倒”だった安倍政権は、この流れから完全に蚊帳の外に置かれてしまった。そして、こんななかで外務副大臣の佐藤氏が放ったツイートがコレだった。
〈慎重に対応しないと。しかも北朝鮮はまだ何も発表していない。この発表は韓国であり、北朝鮮ではない〉(2018年3月6日)
ようするに、外務副大臣にもかかわらず、この間の米朝韓の調整を何もしらなかったのだ。韓国や北朝鮮を非難することばかりに長けた政治家たちがいかに“国益”を損ねているか。肝に銘じるべきだろう。