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2019年参院選ウヨミシュラン(前編)

参院選の極右候補者をチェック「ウヨミシュラン」比例代表編! ヘイト、表現への圧力、人権否定、女性差別…

自由民主党ホームページより


「ウヨミシュラン」といえばおなじみ、リテラが国政選挙の投票日前にお届けする極右候補者リスト──なのだが、安倍首相が「改憲」を争点に掲げた今回の参院選、自民党の候補者をチェックしてみると、どいつもこいつも9条改憲をゴリ押しする“安倍シンパ”みたいな連中ばかり。はっきり言って、“顔が右側に向いた金太郎アメ”みたいな状況になっている。

 だが、これまでの言動を検証してみると、圧力行為、人権意識の欠如、差別煽動、極右団体との関係など、それこそ民主主義を破壊しかねないとりわけヤバいイデオロギーを持つ候補者がいる。こうした極右候補者については、具体的にその危険性を明らかにしておく必要があるだろうと、今回も「ウヨミシュラン」を開催することにした。

 まず、前編では、比例で出馬している候補者のなかから、選りすぐりの9人をピックアップ。危険性、影響度、ヘイト度、キャリアなどを総合的に加味して、本家のミシュラン同様に☆3段階で評価してみた。

「憲法改正」という言葉だけでは見えてこない、彼らのヤバい本性。それでは張り切ってみていこう。(候補者は50音順)

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赤池誠章 ☆☆☆ 『ちびまる子ちゃん』にまで圧力をかけた極右徴兵制論者

 文科政務官などを歴任した安倍首相に近い文教族議員で、極右教育政策押し付けの扇動者。その主張は憲法9条改正(国防軍)や首相の靖国神社参拝、従軍慰安婦問題の否定、軍事力強化など“極右政治家”のテンプレそのもの。
 たとえば、「WiLL」2006年10月号に収録された稲田朋美議員ら同期との鼎談では、教育勅語について「天皇=国家のためであって、それが返ってきて自分の家族のためになるという考え方」などと大絶賛。さらには「近代国家の民主主義において一番の肝心要、根幹を成しているのは徴兵制で『自分の国は自分たちで守ろう』というのが原点」と熱弁していた。
 しかも赤池氏が危険なのは、ただの右翼思想のオッサンではなく、ばりばりの圧力体質だからだ。有名なのは昨年、前川喜平・元文科次官が公開授業をおこなった中学校に、文科省を通じて圧力をかけさせた件だろう。他にも2015年には、アニメ映画『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』に理解できないいちゃもんをつけて圧力をかけていた。
 赤池氏のブログによれば、文科省とタイアップした同作のキャッチコピー「友達に国境はな〜い」に〈思わず仰け反りそうに〉なったのだが、それはなぜかというと〈国際社会とは国家間の国益を巡る戦いの場であり、地球市民、世界市民のコスモポリタンでは通用しない〉から。この時点でどうかしているとしか思えないが、さらに赤池氏は〈文科省の担当課に確認〉したとしてこう続けている。
〈たかがキャッチフレーズ。されどキャッチフレーズ。一事が万事で、言葉に思想が表出するものです。国家意識なき教育行政を執行させられたら、日本という国家はなくなってしまいます〉〈文科省の担当課には、猛省を促しました。〉
 ちびまる子ちゃん映画の「友達に国境はな〜い」に、「日本という国家はなくなってしまう」とがなり立て圧力をかける。やっぱり、どうかしているとしか思えない。


有村治子 ☆☆☆ 日本会議と神社本庁が応援する「国防を考える母」

 6年前の参院選では、日本最大の保守系団体「日本会議」の推薦と、「神社本庁」の実質的政治部「神道政治連盟」の推薦を受けて当選した有村氏。日本会議国会議員懇談会の政策審議副会長、日本会議の女性部である「日本女性の会」副会長、神政連国会議員懇談会副幹事長を務め、〈戦後の教科書からは、万世一系という言葉は消えました。そこから始めていかなければいけない〉(日本会議の機関誌「日本の息吹」2013年6月号)などとして戦前の“天皇中心の国体”を教育へ反映するよう求めている。
 第二次安倍政権では女性活躍担当大臣に任命された。HPでは〈マタニティマークを全国に普及させた母親の視点も活かし〉などとアピールするが、その思想をチェックすると「女性の権利向上」とはほど遠い。実際、選択的夫婦別姓に反対しており、子育て政策については「子育て中の女性議員が、国防の重要性、あるいは私たちの未来の安全保障を考える、そういうことを自らの活動の原点にして発信していくことも大事だと思っています」(「誇りある日本の再生」2009年2月号)などと発言している。ようするに国民はみんな「皇軍兵士の母」になれ、ということなのかと突っ込まざるをえない。なお、有村氏は"子どもを産んだら傍にいて育てないと発達障害になるから仕事をせずに家にいろ"と強要するトンデモ理論「親学」とも関係が深い。
 日本会議事務局と神政連に確認したところ、今回の参院選でも、両団体は有村氏を推薦候補として応援しているという。復古的イデオロギー背負う存在として、右派は並々ならぬ期待を寄せているようだ。

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