だが、古舘が素晴らしいのは、こうした卑劣なやり口に口をつぐむどころか、真っ向から反論し、その圧力の本質を明らかにしたことだ。
古舘は今回、冒頭で紹介した反撃ツイートと同日に、こうツイートしている。
〈実質上言論の自由が保障されてるはずの国でこんなに政治発言がしにくい国は日本くらいでしょう。つまり他の国よりずっと全体主義が近い。現に僕に絡んでくる人たちは無意識にせよ全体主義を渇望している。現政権を批判する事自体が許せないのですから。「政府に楯突くなんて許せん!」ですから〉
古舘はいまの日本の言論状況が「政治的発言でなく、政権批判が許されない」という極めて全体主義的なものであることを、喝破したのだ。
しかも、古舘はその後もまった怯むことなく政権批判を続けている。大きな注目を浴び、ネトウヨから激しい攻撃を受けても、黙ったりしない。
たとえば、7月3日には、安倍政権が官庁幹部との面談記録を一切残していないというニュースを受けて、〈これもう独裁者でしょ?アウトだよ 辞めてもらうしかない〉と一刀両断。さらに、参院選公示の2日後、7月6日にはこう呼びかけた。
〈「独裁政権のよう」な今の日本政府があり、それを背景に権威主義者たちは上からモノを言う。それに加えて多くの無関心層がいて、利権で誘導される巨大な経済界がある。与党の勝利は硬いです。それでいいのか?本当に?自分の周りを巻き込んで行くしかないです。傍観者ではなく参加しないと。〉
また、7月11日には、例の三原じゅん子議員と安倍首相の政見放送について、こんな怒りのツイートも投稿している。
〈この気持ち悪い政見放送をみんな見てるのかな?見た上でこの党にまた託すのかな?やはり学習性無気力が社会的に蔓延しているとしか思えない。諦めが先に来る社会じゃなきゃこんな政治家を容認するわけがない。希望を感じて一票を投ずる先じゃないよね??〉