さらに、今回のデータ流出には、もう一つ“深い狙い”もあるらしい。定数6の東京選挙区を引き合いに出してみよう。調査データは下記の通りだ。
〈東京〉 定数6
丸川珠代(自民)17.8
吉良佳子(共産)12.2
山口那津男(公明)11.3
武見敬三(自民)9.5
山本太郎(諸派)9.0
塩村文夏(立憲)7.5
山岸一生(立憲)5.8
音喜多駿(維新)4.9
水野素子(国民)1.5
「現状では、自民党は一応、2議席を確保できているが、4位以下は接戦。とくに、次点の7位にいる立憲候補の朝日新聞元政治部記者・山岸一生氏は出馬宣言したばかりで知名度が低いが、長妻昭氏らが後援会を仕切って、猛追している。勢いのある立憲の塩村文夏氏や山本太郎氏が当選圏内の上位に入ってくると、自民・武見氏が圏外に押し出される可能性がある。そこで、データを流すことで、都内の自民票を独り占めしている丸川珠代氏の陣営に“武見さんに票を分けて”とシグナルを送っているんだよ」(前出・古参議員秘書)
その他の「複数人区」情勢も同様の理由で流されたようだ。北海道では共産の畠山氏に追い上げられている岩本氏に高橋氏の票を、広島では、野党候補の森本氏の後塵を拝し、次点に沈んでいる河井氏に、溝手氏の票を分配するよう誘導する意図があるのだという。
〈北海道〉 定数3
高橋はるみ(自民)33.8
勝部賢志(立憲)22.8
岩本剛人(自民)11.5
畠山和也(共産)10.2
原谷那美(国民)4.9
〈広島〉 定数2
溝手顕正(自民)33.9
森本真治(国民)21.7
河井案里(自民)17.1