しかし、堀江はたんに捨て台詞で「バカヤロー」の代わりに「税金泥棒」と言っただけではない。堀江は想田和弘氏が「税金泥棒」ツイートを批判したことに逆ギレして、こんな投稿もしていたのだ。
〈お前相変わらず文脈とか行間読めねーんだな。親切に教えてやるよ。このデモに参加してる奴の大半は実質的に納税してる額より給付されてる額の方が多いんだよ。それを税金泥棒って言ってんだよ。〉
あ〜、読み返すたびに、頭の悪さに愕然とする。そもそも、年金制度では税金以外に保険料も徴収されているし、サラリーマンや低所得者層の年金給付が納税額や保険料より多いのは、30年間以上の物価や賃金の上昇、富の再分配という考え方からして当たり前だし(そうじゃなかったら、みんな私的年金か貯蓄に走って、公的年金に入る国民なんて誰もいなくなるだろう)、現に政府はずっとそのことを喧伝し、国民に約束してきた。いま、国民が怒っているのは、その約束が実質的に崩れそうになっているからだ。堀江はそんなことも知らないで、ただデモをディスっていたのである。
ところが、『サンジャポ』で、堀江はそうした反論にまともに答えるでも訂正するでもなく、「熱くなるところじゃないじゃん」「反論したって仕方ないじゃないですか」などとごまかすことしかできなかった。
しかも、堀江はやめときゃいいのに、ツイート同様、付け焼き刃でお勉強した年金問題の知識をひけらかして、さらなる単細胞を晒した。
「だって、年金なんてさ、昔っから、修正賦課方式になった時点で、もうヤバいわけです。つまり、少子化になったら給付が開始される年齢をどんどん後にしていって、60歳、65歳、70歳みたいにしていかないと、制度が成り立たないんで。とはいえ、あのジーピフ(GPIF)っていう、あれですよ、年金の運用してるところとかの人、めちゃくちゃちゃんとやってるんですよ。運営やって増やしてるし、すげーがんばってるんだけど。これは、もう過去の何十年も前に作った人たちの責任。いまの人たちはめちゃくちゃがんばってる。昔の人たちが、さんざん食い物にしてきたグリーンピアとかさあ、年金の金を無駄遣いして大変なことをしてきた人たちの責任を被って、がんばってやってるの。そういうやつに文句言っても仕方ない」