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安倍首相が新天皇に内奏の夜、「今の陛下はドアまで送ってくれた」と自慢! 宮内庁は否定したが、官邸幹部との食事会で…

 しかも、である。時事通信によれば、宮内庁はこの記事に関して毎日新聞社に個別に抗議することは考えていないという。いったいこの弱腰の対応は何なのか。

 官邸も同様だ。ふだん、あれだけ批判報道に神経を尖らせ、すぐに「捏造」などとわめきたてて抗議する官邸だが、いまのところ、そうしたリアクションをとったという報道はまったくない。

 これはやはり、安倍首相が食事会で今回の内奏の模様について発言したこと、そして、出席者の誰かが毎日に、記事にあった首相の発言内容を喋ったことが事実だからだろう。毎日を追い詰めすぎると、「食事会の参加者のひとりから聞いた」などと反論され、逆に安倍首相が批判を浴びる事態になりかねないと判断したからではないのか。

 さらに、ベテランの宮内庁担当記者はこんな分析をする。

「もしかしたら、漏らしたのが、官邸の皇室担当責任者である杉田官房副長官だったという可能性もありますね(笑)。もしそうなら、絶対に表立った強い抗議はできないでしょう。また、そうでなくても、宮内庁の西村次長は警察官僚出身で、官邸がお目付役で送り込んだ人ですから、官邸の意向をふまえて、本来は事を荒立てたくなかったはずです。ただし、今回は、上皇陛下が安倍首相のものとされた『前の天皇陛下はいつも座ったまま』という発言に不快感を示されたため、宮内庁としては、動かざるをえなかった。そこで、安倍首相がそういう発言をしていないとしたうえ、上皇の発言に関する部分だけ、過去の事例を持ち出し、強く否定したんじゃないでしょうか。板挟みの末に落とし所を探ったという感じもしますね」

 いずれにしても、安倍首相の「前の天皇陛下は座ったままだったが、今の陛下はドアまで送ってくれた」発言報道は、代替わりを自分の権力強化に利用し、現天皇との蜜月を誇示し始めた安倍首相の姿勢が生み出したものだ。しかも、調子に乗った安倍首相と官邸はこれからますます、この姿勢をエスカレートさせていくだろう。

 前の天皇は明確な“リベラル・護憲派”であり、一種、安倍政治に対する“防波堤”的役割を担ってきた部分もあったが、令和の時代は、皇室が安倍政治の暴走の推進役を担わされる可能性が非常に高いと言わざるをえない。

最終更新:2019.05.23 03:19

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