一芸人が安倍応援団批判や基地問題に言及しただけで詰問して止めろと圧力をかける一方で、選挙期間中に政党の総裁を舞台に立たせ、選挙PRに協力する。神経を疑いたくなる姿勢だが、これがいまの吉本興業の姿なのだ。
これから先も吉本は安倍政権に全面協力をし続けるだろう。たとえば、改憲が発議されて、国民投票が実施されたとき、吉本の芸人が大挙して改憲CMに登場する、なんてこともありうるだろう。
しかも、この政権への恭順は吉本だけの問題ではない。今回の件で、吉本のやり口以上に暗澹とさせられたのは、安倍首相の投票日前日の吉本新喜劇出演という問題行動を、新聞、テレビがまったく批判しなかったことだ。いや、それどころか、民放やスポーツ紙はもちろん、NHKまでがこれを“微笑ましいニュース”のように取り上げ、そのPRに全面協力していた。
「安倍官邸への忖度に加えて、民放は吉本興業の株主でもありますから、批判なんてできるわけがない。スポーツ紙も吉本とはべったりですからね。安倍首相の吉本出演はそれを見越しての行動なんでしょう」(前出・週刊誌記者)
報道からエンタテインメントまで、すべての言論と表現が安倍政権に乗っ取られる。そんな日がやってくるのもけっして遠い話ではなさそうだ。
(編集部)
最終更新:2019.04.22 07:20