しかし、ネトウヨがいかに冷や水を浴びせようと、メディアがいくら自主規制しようと、若者に広がる韓国ブームは止められないだろう。なぜなら、今のブーム自体がネットやSNSで広がったものであり、テレビは1ミリも寄与していないからだ。
実際、BTSは地上波テレビから締め出されたが、それでも人気は落ちるどころか上がり続ける一方で、7月に行われる静岡エコパスタジアム(収容人数5万人)とヤンマースタジアム長居(収容人数4万7000人)でのスタジアムツアーも、これだけの収容人数にも関わらずチケットは入手困難の状況になっている。
また、TWICEは先月から今月にかけて、京セラドーム大阪、東京ドーム、ナゴヤドームを回るドームツアーを行っているが、そのチケットはわずか1分で完売している。
他にも、BLACKPINK、GOT7、iKON、Red Velvet、SEVENTEEN、NCT127など、1万人以上の規模のコンサートを行う人気のあるK-POPグループは数多い。
しかも、重要なのは、韓国カルチャーに傾倒した若者たちが、表層的な流行にとどまらず、ポップカルチャーを通じて韓国文化への理解を深め、日韓の対立を乗り越えるような動きを見せていることだ。
BTSが韓国バッシングの道具として利用され大炎上した昨年秋にも、K-POPのファンたちが「#ArmyAgainstRacism」(ARMYはBTSファンの総称)というハッシュタグを用いて、対立を煽るネトウヨ層への抗議を行ったことは記憶に新しいし、今回の『あさイチ』のなかでも、TWICEのファンとして登場した男子高校生が、日韓関係についてこんな言葉を語っていた。
「サッカーとかでもよく因縁の日韓対決とか言ってるじゃないですか? なんでそんな因縁なのかなとか思ったりもするんですけど。隣の国同士なので、もっと仲良くやってほしいなって」
安倍政権の煽りに乗ってテレビメディアまでが無自覚に韓国ヘイトを撒き散らすことが日常の風景となってしまったこの国において、こうした若者の動きは大きな希望でもある。
(編集部)
最終更新:2019.04.08 08:39