小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

『あさイチ』の「中高生に韓国が人気」は事実なのになぜ炎上? K-POPや韓国コスメまでタブーになった嫌韓日本の異常

 それは、最近のことではなく、第2次韓流ブームがピークを迎えた2011年から始まったものだ。当時は、KARA、少女時代、東方神起などのK-POPやチャン・グンソクのドラマなどが大人気で、テレビも連日、音楽番組にK-POPアイドルを出演させ、韓流ドラマ枠もどんどん増やしていた。

 ところが、これに在特会をはじめとするネトウヨが反発。2011年から2012年にかけてフジテレビに大規模な嫌韓デモが仕掛けられる。さらに、2011年12月、紅白にKARA、少女時代、東方神起と3組のK-POPグループが出演すると、NHKにも激しい抗議が加えられた。 

 政界からの圧力も起きた。2012年3月、片山さつき参院議員が国会でNHK会長に「NHKのミュージックジャパンという番組では過去1年間、出演者の韓国人タレント占有率が36%。(中略)このあたりはどういう基準でやっておられるのか」と韓国差別丸出しの質問。しかも実際は36%という数字は誤りで、11%だったのだが、片山議員は生活保護バッシングのときと同じく、ネトウヨのデマに乗っかって、NHKに韓国の音楽を扱わないよう圧力をかけたのだ。

 まったく度し難い偏狭と排外ぶりだが、これでテレビ局は一変してしまった。炎上や抗議を恐れて、軒並みK-POPを排除し始めたのだ。韓流ドラマも地上波での放映をやめて、BSに追いやった。NHKも翌2012年の紅白ではK-POPグループを1組も出演させず、そのまま2017年にTWICEが出演するまで、K-POPグループゼロを続けた。

 ようするに、テレビは、今回、まさに『あさイチ』に加えられたような炎上攻撃が原因で、韓国カルチャーを扱わなくなったのである。その結果、オールドメディアでしか情報を得ていない中・高年層の間では、韓国ブームはどこかへ消えたことになってしまったのだ。

 しかし、実際は韓国ブームは衰退したわけでもなんでもなかった。ネットやSNSで若年層を中心にブームはその後も広がり続け、BIGBANG、EXO、SHINee、SUPER JUNIORといった人気K-POPグループが次々登場。テレビが扱わないだけで、東京ドームなどで開催されるライブは盛況が続いていた。

 そして、2017年になると、アメリカでもブレイクしたBTSやTWICEが牽引するかたちでブームはさらに拡大。しかも今回は、コスメやファッションにまで広がるこれまでにない大規模なブームになっているため、さすがに、テレビも無視できなくなり、少しずつではあるが、“第3次韓流ブーム”としてK-POPや韓国カルチャーを取り上げるようになった。

 ところが、これに対して、再びネトウヨが攻撃を始め、2011年と同じことが繰り返されようとしているわけだ。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。