AKSは、報告書と会見をもって幕引きしようとしているのかもしれないが、事態解明も説明責任もまったくなされていない。何より報告書と会見のいずれにも共通する最大の問題は、AKB48グループの最高責任者であるはずの秋元康氏の責任が問われていないことだ。
そもそも今回の会見にはAKB48グループ全体を見る秋元康総合プロデューサーが出席していない。なぜ秋元氏がきちんと説明の場に姿を現さないのか、秋元氏が今回の件を受けてどのように発言しているのか、などを問う声も出た。しかし、それに対して松村取締役が語ったのはこんな言葉だった。
「憂慮されておられます。早くNGTが次の道に進めるようになりたいなと考えていると思われます」
憂慮──この「他人事」感満載の言葉。しかも、どこかで聞き覚えがあると思ったら、それもそのはず。1月14日に今回の会見と同じ3人で会見が行われた際に、松村取締役の口から出たコメントとまったく同じなのだ。
「大変憂慮されている。運営は私が進めておりますので、叱責されました。当然です。『しっかりとメンバーとメンバーをケアしていくというのは、運営の責任者の仕事。経験もあるわけだから』と」(日刊スポーツWeb版掲載一問一答より)
ようするに秋元氏は、グループの最高責任者であるにもかかわらず、事件発生直後に「憂慮」「運営を叱責」と他人事のように言ったきり、その2カ月以上この問題の解決に務めることもせず、放置しているということなのだろうか。秋元氏がこんな態度をとることは許されないだろう。
というのも、今回の暴行事件はNGT48だけの問題ではない。AKBグループ、ひいては、坂道シリーズも含めた秋元康氏プロデュースのアイドルグループすべてに共通する問題だといえるからだ。