実際、安倍政権を賞賛している差別排外主義テロリストは、今回の容疑者だけではない。NZモスク銃撃事件の容疑者は、前述の犯行声明のなかで、2011年に77名の人々が殺害されたノルウェー連続テロ事件の犯人(収監中)について触れており、この犯人とコンタクトをとったと主張している。
このノルウェーテロ事件の犯人も、犯行直前にインターネット上で声明を出しており、そのなかで日本を“多文化主義を完全に排する”理想的な国の一例として賞賛。さらには「会ってみたい人」のひとりとして、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でのジェノサイドに関与したとされるラドヴァン・カラジッチらとともに、現政権の副総理である麻生太郎の名前をあげていた。
ようするに、ヘイトクライムを起こしたテロリストが賞賛したくなるほど、この国は、政権与党の政治家たちを中心に、差別を扇動し、多様性を排除する方向へ突き進んでいるということだろう。
奇しくも19日には、韓国の金浦空港で暴れた男が取り押さえられ、暴行容疑で警察の取り調べを受けた。「俺は韓国人が嫌いだ」などと叫んだこの男は、なんと厚労省の労働基準局賃金課長だった。官僚までがヘイトに侵食されている深刻さを直視しなくてはならない。
(編集部)
最終更新:2019.03.20 10:25