また、高須院長はユダヤ人人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(SWC)の存在を持ち出し、「手打ちがすんだと僕は解釈しておりました」などと言っているが、これはどういう意味なのか。
高須院長はこれまで、ブログやTwitterで〈誰が何と言おうが ヒトラーは私心のない 本物の愛国者だ〉〈ドイツのキール大学で僕にナチスの偉大さを教えて下さった黒木名誉教授にお会いした。励まして下さった!嬉しい なう〉〈我が国の医学は大東亜戦争に負けるまではドイツ医学だった。ナチス政権下のドイツ医学の発展は目覚ましいものだった〉などと繰り返しナチスを礼賛してきたが、謝罪や撤回はしていない。
一方で高須院長は、昨年11月、K-POPグループ・BTS(防弾少年団)の「原爆Tシャツ」が問題視されたときには、BTSがナチスに似ているとされる衣装を使用していたとSWSに告発する動きを見せ、Twitterでも〈何故大騒ぎしないんですか? サイモンヴィーゼンタルセンターさん。なう〉などと挑発的な投稿を繰り返していた。
もしこれで、本当にユダヤ人団体と「手打ち」をしているというなら、その全容をきちんと公開すべきだろう。
いずれにしても今回、アウシュビッツ・ビルケナウ博物館が高須院長の〈南京もアウシュビッツも捏造だと思う〉というツイートに〈史実です〉と指摘するのは当然であり、むしろリプライは遅すぎた感すらある。
だが、他方で気になるのは国内のマスコミの動きだ。一部新聞やネットニュースこそ、このアウシュビッツ・ビルケナウ博物館のリプライをストレートニュースで報じているが、普段、高須院長のツイートを盛んに取り上げているスポーツ新聞系のメディアや、高須院長を出演させているテレビなどのメディアは、今回の件についてダンマリを決め込んでいるのだ。